「赤い車体」よみがえる 京急「デハ236号」修復完了

大師線の行き先表示板を掲げたデハ236号。現在の京急川崎駅はかつて「京浜川崎」だった

 昭和初期から半世紀にわたり「名車」として親しまれ、今後横浜で展示される京浜急行電鉄の旧型電車「デハ236号」が4日、横浜市金沢区で公開された。2年を費やした修復作業が完了し、艶やかな赤い車体がよみがえった。

 236号は京急の前身の湘南電気鉄道が1929年に製造、翌年の同鉄道開業時から運行された。窓の大きなモダンな姿が特徴で、戦争をくぐり抜け78年まで活躍。引退後は埼玉県川口市の市児童文化センターで展示されていた。2017年に“帰郷”し、横浜・みなとみらい21(MM21)地区に今秋完成する京急電鉄新本社1階のミュージアム施設で一般公開される。

 修復は、同区の車両メーカー総合車両製作所で行われた。長年屋外に置かれていたため腐食が激しく、車体の鉄板を張り替えるなど難航したという。京急電鉄の中山伸車両部長は「部品や材料の調達に苦労したが、OBも含め総力を挙げて修復することができた」と感慨深げに振り返った。

 車体は今月中にも新本社に輸送され、別の工場で修復された台車と組み合わされて正式に「完成」。公開の日を待つという。

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