カリタス小、5日に授業再開 警備強化し送迎は市バスに

5日に授業が再開するカリタス小学校。校門前は制服の警察官が警戒に当たっている=川崎市多摩区

 川崎市多摩区の登戸駅近くの路上で5月28日、スクールバスを待っていた私立カリタス小学校(同区)の児童ら20人が殺傷された事件で、同校は4日、保護者会を開いた。5日の授業再開に向け、スクールバスの運行態勢や停留所の変更について説明。当面は警備態勢も強化し、児童らの安全確保と心のケアを徹底するとした。

 運営する学校法人カリタス学園によると、スクールバスは停留所を変更した上で、保有車両を使わず市バスに有償で運行を委託する。心的ストレスへの配慮で、「事件を思い起こすようなものを子どもや保護者の前にさらすのは不適切」とし、計3台が登戸駅と学校を6往復する。

 制服の着用を自由とした上で、安全対策として警備員を増員。教職員や署員、父母らとともに同駅やJR中野島駅から学校に向かう通学路に配置する。従来認めていなかった保護者の送迎も受け入れる。

 また、小学校にカウンセラー2人を常駐させ、個別の対応や電話での相談も受け入れる態勢を整えた。

 出席した保護者らは、事件直後よりも落ち着いた様子だったといい、同学園の高松広明事務局長は「保護者の方も子どもさんもストレスを感じる中での登校再開。最大限の注意を用いて守っていかないといけない」と話した。

 事件は5月28日午前7時40分ごろ発生。保護者の外務省職員の男性(39)と同校6年の女児が包丁で刺されて死亡し、保護者の女性(45)と女児2人が重傷を負った。岩崎隆一容疑者(51)は直後に自殺した。

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