s**t kingz☆世界的ダンスパフォーマンスユニットが絵本をプロデュース!

s**t kingz☆世界的ダンスパフォーマンスユニットが絵本をプロデュース!

2007年に結成されたダンスパフォーマンスグループ・s**t kingz。国内外の名だたるアーティストたちの振り付けを手掛け、世界各国からオファーが殺到するダンス界のパイオニア的存在である彼らが、ダンス動画も楽しめる「絵本」を初プロデュース! 絵本に込めた思いに加えて、ダンスだけでストーリーを表現する “無言芝居”や、朗読&ダンスパフォーマンスの舞台など、ダンスを通してあらゆる表現の可能性を広げ続ける彼らを直撃した。

──発売中の絵本「あの扉、気になるけど」は、絵本の中にあるQRコードを読み込むと皆さんのダンス動画が見られるという作品ですが、そもそも絵本とダンスを組み合わせるという発想はどこから生まれたのですか?

shoji「去年、4人で『The Library』という図書館をテーマにした舞台をやったんですが、『いつか自分たちの本が図書館に残ったらいいね』なんていう話から、『本を作ってみようか』ということになったんです。どんな本がいいか考えていく中で、“絵本”というワードがメンバーから出てきて。絵本って、小さな子どもも楽しめるし、大人でもファンの方が多いですよね。そこにダンスが組み合わさることによって、いろいろな人たちにシッキン(=s**t kingz)のダンスに触れてもらえたらうれしいなという思いで作りました」

Oguri「絵本なので、お子さん向けのイメージがあるかもしれないですが、僕らとしては子どもから大人まで、誰が読んでも楽しめる要素を入れたいという思いがありました。ダンスも絵本の世界から飛び出したイメージなんですが、『かわいくするというよりは、めちゃめちゃかっこよくオシャレに作りたいね』と話し合って。楽曲も全部この絵本のために作ってもらったオリジナルで、本当にいいものができたなと思っています!」

──特に注目してほしい点は?

kazuki「そうですね…(少し考えて)、絵!」

shoji「NOPPOさんが描いたんですよ~、今回は!」

NOPPO「小学生の頃に絵の教室に通っていて、それ以降、筆を握っていなかったんです。でも、ダンスを考える時にもいろいろな角度や景色から考えたりするので、いただいたストーリーをもとに想像しながら、自然と楽しくできましたね。“この目線から~”とか考えるのが面白かったです! 絵は、デジタルではなく絵の具でそのまま紙に描きました」

shoji「アナログなんです(笑)」

NOPPO「アナログ大好き人間なので(笑)。自分なりのムラ感とか、その時にしか描けない“手のブレ”がほしくて。完成されていない、人間味のあるようなあたたかい絵にしたいと思って描きました。絵を描くにあたっていろいろな絵本を見たんですが、情報量がバランスよくないといけないなと思ったんです。絵のメッセージ性が強くても文章が入ってこなかったりするので。自分の中では、バランス的にちょうどいいシンプルな絵が描けたかなと思います」

kazuki「じゃあ、ダンスは辞めてこっちを専業にする?(笑)」

全員(爆笑)

──絵本に登場する4匹の動物には、メンバー4人それぞれの性格を投影しているんですよね?

shoji「そうですね。4匹の動物が登場すること自体は『ブレーメンの音楽隊』をベースにしているんですが、それぞれのキャラクターには、メンバー4人の性格を落とし込んでいるんですよ。kazukiは、あっちにフラフラこっちにフラフラ、自由なんです。しっかり者なんですけど、みんなで一緒に出掛けた時に、気付いたらいなかったりして…。最終地点で『あ、kazukiいた、いた』って合流する、みたいな(笑)」

kazuki「でも戻っては来ます、猫なんで(笑)」

NOPPO「1回、飛行機に乗り遅れたこともあったよね(笑)?」

kazuki「あったあった(笑)」

shoji「のんびり屋さんのロバは、マイペースなNOPPO。Oguriは犬、ド真面目なので。で、俺は臆病者でビビりのニワトリです(笑)。ほんとにそのまんま、ですね」

kazuki「声が甲高いニワトリだね(笑)」

shoji「もともと、シッキンは猫のkazukiが声を掛けてできたグループなんです。年齢的には僕がリーダーなんですけど、だからといって僕がシッキンをどうするか決めることは一切なくて。みんなで補い合いながら進んでいって、振り返ったらいろいろなドアが開いていた、というか。そういうシッキンの歴史も絵本のストーリーに反映されているんです。ほんわかな感じが、シッキンっぽくていいなと思ってます」

──2007年の結成から今年で12年ですが、ここまでグループとして続いてきた秘けつは何ですか?

shoji「僕たち基本的には、けんかとか全然しないんです」

kazuki「うん」

shoji「秘けつは、たぶんですけど…じゃんけん(笑)。基本的に何でもじゃんけんで決めるんですよ。ジャニーズの方の振り付けを何曲かさせていただいてるんですけど、そういう時も全体の流れはみんなで決めて、『こことここはそれぞれで振りを作ってこよう』っていう時に、じゃんけんで勝った人から作りたいパートを選ぶ、みたいな。ね?」

3人(うなずく)

shoji「差し入れをいただいた時に誰が何味を選ぶとか、タクシーでどこに座るかとか、海外に行った時に部屋割りどうする、とか、全部じゃんけんです! 無意識にやってきたことだけど、それが仲良くやっていける秘けつなのかなと思いますね」

Oguri「おすすめです(笑)」

kazuki「じゃんけんで負けたら仕方ないですもんね、練習のしようもないし」

NOPPO「平和を守ってくれるじゃんけん、ありがとう(笑)」

Oguri「じゃんけんに負けた時は“脱退してやる!”って思うけど(笑)、けんかして辞めたいって思ったことは一度もないです」

──ちなみに、皆さんのインタビューが掲載されている週刊TVガイド6/14号の表紙はV6さんです。皆さんはV6さんの振り付けもされていますが、6人の印象はいかがですか?

Oguri「ダンスも人柄も最強!」

kazuki「小学生の時からテレビで見ていたジャニーズアイドルで、ド世代なんで。最初に振り付けする時は、やっぱりすごい緊張したんですよ。でもみんないい人過ぎて!」

NOPPO「うん!」

shoji「ね!」

kazuki「しかも、ダンスに関しても、思った以上に努力してくださるんです。スーパースターって“こなしちゃう”感じになる人が多いのかなと思っていたんですが、V6さんはもう、すごい大人だなって思って」

NOPPO「こんな若い世代の振り付けに対して『ここはどうやるの?』とか、すごく気を遣ってくださって」

shoji「若いダンサーとか新しいダンサーをちゃんとチェックしているんですよ。そういうところのアンテナも張っているんだなって」

NOPPO「個々の振り付けに対するこだわりも強いし」

kazuki「セクシーな振り付けをお願いされることが多いんですけど、そもそも持ってるポテンシャルから大人の色気がにじみ出ているので、いつも“かっこいいなぁ…”と思っています」

──6月の8日と9日には、shojiさんとOguriさんの2人で、朗読&ダンスパフォーマンスの舞台『My friend Jekyll』を上演されますね。

shoji「はい! イギリスの小説『ジキルとハイド』をベースにした作品で、僕が朗読をする回はOguriが踊って、Oguriが朗読をする回は僕が踊ります。同じ台本で一つの作品なんですけど、まったく違う印象になるんじゃないかなと思っていて。“絵本×ダンス”っていう新しい試みをやらせてもらって、今回は“朗読×ダンス”ということで、シッキンはこれからもいろんなものにダンスを掛け合わせていきたいなと思っています」

Oguri「ダンスの時も舞台の時も、今までは声を発してこなかったので、“こんなにも違うのか!?”と感じています。ダンスだったら“こうやりたい”と思ったことができるんですが、朗読だとイメージはあるのにそこに近づけない。その難しさを、今は楽しんでいます!」

──7月17日には、昨年上演された舞台「The Library」のBlu-rayが発売されますが、映像ならではの見どころは?

shoji「いっぱいあります!」

Oguri「やっぱり生だと見きれない細かい表情とか、セットの細かいところとかがよりじっくり見られると思うので。舞台を見てくださった方も新しい発見がたくさんあると思います」

shoji「寄りもあって引きもあって、違った側面を見られるっていうのが映像のよさだと思うので。何度も見てもらえたらうれしいですね」

kazuki「あとは、特典映像がめちゃくちゃ面白いんですよ!」

Oguri「はい!」

shoji「自分たちで言うのも何ですけど(笑)」

NOPPO「オーディオコメンタリーは、舞台裏で何が起こっていたかとか、基本、裏話がメインだったかな」

Oguri「けっこう関係ない話が出たりして(笑)」

shoji「特典映像は飾っていない、ステージにいる時とは全然違う4人が見られると思うので、面白いと思います!」

Oguri「無言芝居の舞台なので、MC以外全然しゃべらないのに、副音声では4人がずーっとしゃべりまくるという、その違いも面白いです(笑)」

──ダンスだけに留まらず幅広いフィールドで挑戦し続ける、その理由と原動力は何ですか?

shoji「これまでの活動で、すてきなクリエーターの方たちとたくさん出会ってきました。そういう方たちとの出会いを通して、気付いたらいつも面白いことをさせてもらっていて。シッキン4人でやることももちろん楽しいですが、ほかの何かと掛け合わさった時に、いろいろな可能性が生まれてくるんですよね。同じことだけを12年ずっとやり続けていると飽きちゃって、今頃みんなゲッソリしていると思うんですよ。でも“次は何をやろう?”っていう掛け算の余地が残っているので。だから、今のところみんなツヤツヤして頑張っていられるのかなと思います(笑)」

全員(爆笑)

──最後に、s**t kingzのこれからの目標は?

kazuki「僕たちは“目標はこれだ!”というのを掲げずにここまで来たようなところがあって。だからこそ、周りの方にサポートしていただきながら、予想もしなかったことができたんじゃないかなと思っているんです。なので、ダンサーの活動だけではできないことを、姿形を変えてやっていくということが、目標だなと思います。何があるか分からないけど、何でもやりたいというか…皆さんがあまり見たことのないものができたらいいなと思います! もっともっといろんな方に見てもらえるように、幅を広げられたらうれしいです」

NOPPO「予想もできないことを皆さんに提供できたらと思う一方で、見てくださる方にとって遠い存在にはなりたくないんです。例えば、ライブをやった時にみんなで一緒に楽しんでもらえるものを作りたい。僕たちから発信するだけの一方通行にならないように、皆さんと共有しながら楽しんでいけたらいいですね。もう、今は何が起きるか分からないです、はい!!」

全員(笑)

Oguri「約12年やってきて、やっぱりダンスの可能性ってすごいなと感じていて。今の時代だからこそ変化できるものがあったり、古きよきダンスを今に持ってきて新しくしたりとか、可能性がどんどん広がっていく感じがしています」

shoji「シッキンを組み初めて1~2年の時は、まさか10年後に舞台に立てたり、金閣寺で踊らせてもらったり、ラジオをやらせていただけるなんて想像もしてなかったもんね」

kazuki「うん。人生で絵本を出すことがあるなんて思ってもみなかった!」

shoji「だから、またここから10年後はどうなっているのか、楽しみです」

Oguri「チャレンジすることを楽しんでたいよね。『ワー!』って言いながら」

shoji「今、チャレンジすることを『シッキンしちゃう』って表現になったらいいなと思ったんだけど…それだと別の意味に聞えちゃうよね(笑)」

kazuki「音にするとダメだ(笑)」

NOPPO「ヤバい、ヤバい(笑)!」

全員(爆笑)

【プロフィール】


s**t kingz(シットキングス)
2007年に結成され、世界的に活躍するダンスパフォーマンスユニット。国内外のさまざまなアーティストの振り付けを担当する一方で、13年より単独の舞台公演を開催。18年に上演された舞台「The Library」のBlu-rayが、7月17日に発売。

shoji
1984年10月20日神奈川県生まれ。天秤座。A型。

kazuki
1986年9月24日大阪府生まれ。天秤座。B型。

NOPPO
1986年8月19日神奈川県生まれ。獅子座。A型。

Oguri
1987年1月6日東京都生まれ。山羊座。A型。

【作品情報】


絵本「あの扉、気になるけど」
発売中
¥2,000

【プレゼント】


サイン入り生写真を2名様にプレゼント!

ハガキでの応募方法は「TVガイド」6/14号(P114)をご覧ください。
「TVガイド」の購入はコチラ→https://zasshi.tv/category/TVG

取材・文/依知川亜希子 撮影/須田卓馬

© 株式会社東京ニュース通信社