トッテナムとの同国対決を制してUEFAチャンピオンズリーグ優勝を果たしたリヴァプール。
決勝戦が行われたのは6月1日で、プレミアリーグの戦いを終えてから3週間ほどが経過していた。
そのためリヴァプールは決戦を前にスペインのマルベリャで合宿。そこでベンフィカBチームとの非公開の練習試合を行っている。
『A Bola』のインタビューでベンフィカBのレナト・パイヴァ監督が秘密の試合について明かした。
レナト・パイヴァ(ベンフィカBチーム監督)
「リーグ戦終了から3週間が経っていたリヴァプールは非公開試合をやる必要性を感じていた。
話は簡単だ。(対戦相手は)イングランドのチームではダメだ、情報がリークされる。
スペインのチームでもダメだ、(トッテナムのマウリシオ・)ポチェッティーノ監督は長年スペインにいたからね。
フランスのチームでもダメだ、(トッテナムGKウーゴ・)ロリスはフランス代表だから。
残ったのはポルトガルだった。ベンフィカの若手選手の質に大きな意味があった。
ユルゲン・クロップとペピン・リンデルス(リヴァプールのアシスタントコーチ)から言われたからね。
彼はベンフィカBと(ベンフィカBが普段戦っている)ポルトガル2部リーグを見ていたし、2人の若手がトップチームに行ったことも知っていた。
彼らはチームのプレーを見て、トッテナムとの類似点を見つけ出した。だから選ばれたんだ」
レナト・パイヴァ(ベンフィカBチーム監督)
「ベンフィカBは3日前にマルベリャに入り、リヴァプールのスタッフ陣と会った。
彼らはベンフィカBが技術的・戦術的にトッテナムであることを完全に確認した。2チームの関連性も見出した。
そして、ベンフィカBはいくつかの行動をするように頼まれた。
守備的なことが2つ、攻撃的なことも2つ、そして、戦術的な行動、そしてセットプレーもトッテナムがCL決勝でやるであろうことに似せた。
我々はいつもよりちょっとトッテナム寄りでベンフィカB色は薄かった」
「我々はトッテナムを再現した。
4-2-3-1で、守備では(1トップが?)相手CBをカットしに行き、トップ下の10番がリヴァプールの6番を塞ぐ。
攻撃では3人(GKとCB2人)でボールを回す。
ホテルで論理的な準備を全て整え、トレーニング場で再現した」
「リヴァプールは決勝のスタメンをラインアップしており、決勝戦までは一切口外しないでくれと頼まれた。
我々は絶賛されたよ。(決勝の?)朝になっても何も漏れていなかった。
リヴァプールのアドバイサーからはこう言われた。
『あなた方のプロフェッショナリズムに感謝したい。ポルトガルでベンフィカの関係者が洩らせばニュースになるが、一切漏れていない』と」
レナト・パイヴァ(ベンフィカBチーム監督)
「遠征前に選手たちに告知する必要があった。秘密裏に行われていることを漏らさないために、バケーションを1週間延期してもらうだろうことをね。
全てが最高機密で扱われた。
我々はチャンピオンズリーグ決勝の戦術的準備の真っただ中に置かれることになった。
(リヴァプールが)トッテナムのやり方をどう考えているか、そしてそれに基づいてリヴァプールがやろうとしていたことを知ることになった。
(事前には)選手たちに忘れられない経験になるとだけ伝えた。
一部には胸焼けを起こす選手もいた、すでに旅行を決めていた選手もいたからね。
だが、その後、彼らは自分たちがやろうとしていることの大きさに気付いた」
「リヴァプールは素晴らしかったよ。試合後にリヴァプール選手たちはベンフィカの選手たちにユニフォームをくれたんだ。
だが、SNSにポストしていいのは、CL決勝が終わってからと念押しされたよ」
トッテナムを完コピしてもらうために、2部リーグの試合までチェックしていたとは…。
【関連記事】 「クロップのリヴァプールが獲得に失敗した7人のスター」
また、決勝本番でPKを獲得した開始23秒のシーンと酷似した場面が練習試合であったという情報まである。