産廃処理費最大100億円も 相模原市、区画整理地で発見

事業用地から見つかった産業廃棄物(相模原市提供)

 相模原市の土地区画整理事業用地から大量の産業廃棄物が見つかった問題で、本村賢太郎市長は5日、処理費用の推計額が総額60億~100億円に上ることを明らかにした。同日の市議会本会議で、2019年度に予定していた工事を取りやめ、事業を検証する部署を新設する意向も表明した。市は事業完了予定を先送りするとしている。

 問題となっている事業用地は「麻溝台・新磯野第1整備地区」(同市南区)の約38ヘクタール。今年3月に約26万立方メートルの土砂からコンクリートやアスファルト、廃材など大量の産業廃棄物が見つかったことが判明した。

 約400人の地権者がいるが、試算では処理費用がそれぞれの土地の評価額を上回るケースが出てくる可能性がある。そのため、事業を推進してきた部署とは別に7月上旬にも、検証のための新部署を市役所内に設け、検討結果を地権者に説明していく。

 00年度に市が実施した調査で土砂を埋め戻している土地があることは分かっていたが、埋設物の有無や量は不明だった。市は事業継続の考えに変更はないとしているが、23年度としていた事業全体の完了年度は先送りする方針。

 本村市長は同日の市議会で、大沢洋子氏(市民民主)の代表質問に対し「一度立ち止まり、(事業内容の)検証を行うことが必要。スピード感を持って対応していく」と答弁した。

 事業地内には商業施設や住宅向けの区画があり、南側の土地には物流業「ギオン」などの共同企業体が進出することが昨年5月に決まっていたが、今年度下半期に予定していた土地の引き渡しができなくなっている。

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