海難防止へ 海保が航行技術の検証会 撮影動画の配信も

カヌーの初心者と熟練者の技能の差を確認した検証会=横浜海上防災基地

 愛好者が増えているカヌーやSUP(スタンドアップパドルボード)の海難を防ごうと、海上保安庁は5日、横浜海上防災基地(横浜市中区)で、熟練者と初心者の技能の違いを比較し、安全な航行技術を確認する検証会を初めて催した。

 風や波を人工的に起こせる訓練プールでは、風速15メートル、波の高さ70センチに設定して荒れた海を再現。カヌーやSUPの熟練者と初心者が実際に航行し、初心者の技能の未熟さが海難に結び付くことを検証した。

 マリンスポーツ財団(東京都港区)など17の民間団体が参加し、熟練者はバランスを崩すことなくゴール。一方、初心者は横波を受けて転覆したり、落水したりと操船不能になった。

 この様子を撮影した動画は、海難を防ぐための情報を取りまとめた同庁のサイト「ウォーターセーフティガイド」に後日掲載する。

 同庁によると、2018年のカヌーとSUPの事故の約7割を初心者が占めた。同庁安全対策課の榎本雄太課長は「技能があれば対処することができる。初心者は技能を習得して安全に楽しんでほしい」と話している。

© 株式会社神奈川新聞社