「平和への誓い」山脇さん 8.9式典 英語で語り部活動

 長崎市は5日、「長崎原爆の日」(8月9日)の平和祈念式典で「平和への誓い」を読み上げる被爆者代表に、長崎平和推進協会の継承部会員で、英語での語り部活動に取り組んでいる山脇佳朗さん(85)=長崎市晴海台町=を選んだ。

 山脇さんは11歳の時、爆心地から2.2キロの稲佐町で被爆。定年退職後の1994年に長崎平和推進協会に入会し、語り部活動を始めた。2010年には外務省の「非核特使」として渡英し、現地で講話した。定年後に独学で習得した英語力を生かして被爆体験を広く発信している。

 5日は最終審査があり、被爆者らでつくる選定審査会(舩山忠弘会長、5人)が、最終候補に残った6人のスピーチ映像を審査。平和に対する思いや活動歴などを評価し、全会一致で山脇さんを選出した。

 被爆者代表は長崎の被爆者5団体に人選を委ねていたが、門戸を広げるために17年から公募制とした。本年度は昨年度より2人多い14人から応募があった。

 公募導入の経緯に反発した5団体からの応募はなく、舩山会長は「5団体が果たす役割は重要。思いは理解できるが、応募がなかったことは残念であり、協力を求めたい」と話した。

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