医療用かつら 補助検討 購入費 がん治療の市民対象 平戸市

 長崎県平戸市は5日、市内外でがん治療をする市民が医療用かつらを購入する場合、費用を補助する制度の検討を始めた。開始時期は未定。市は独自の補助金制度を創設し、限度額などを定める。県医療政策課などによると、導入されれば県内自治体では初めて。黒田成彦市長は「所得基準など先進自治体の事例も学びながら進めたい」と述べた。

 市議会一般質問で辻賢治議員(政和会)に佐々木信二市民生活部長が答えた。

 がん患者は、化学療法や抗がん剤治療の副作用で脱毛などがみられることがある。しかし、医療用かつら購入は、健康保険の適用外で自己負担となっている。

 九州では就労や積極的な社会参加をサポートしようと、佐賀県伊万里市が2014年度から医療用かつら購入に1万5千円、17年度からは同県みやき町がかつらや補正下着の購入に2万円、熊本県大津町も18年度からかつらに2万円を上限に補助をしているという。

 市によると、16年度、市のがん検診で計31人の大腸がんや胃がんなどを確認している。

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