6月12日付

 母校の最後の一年を華やかに締めくくろうと、西都商業高の3年生が西都市内で毎月開いている販売活動は「ありがとう西都フェア」と銘打たれている。長い間、同校を温かく見守ってきた「西都の人たち」に感謝の思いを伝えるための題名なのだろうと思い学校に尋ねると、何か一つの意味合いはなく、「イメージに広がりを持たせている」との答えだった。フェアは毎回好評で、生徒たちが開発したお菓子は完売になる。伝統ある商業高校の学びの中で、自然と身に付いた姿勢なのだろう。3年生の接客態度はさわやかで、店頭での何げない会話でも買い物客は明るい気分にさせてもらえる。「ありがとう、西都商」。地域に彩りを与えてきた学校や生徒に向け、心でこうつぶやく客は多いに違いない。

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