広がれ!車いすレンタル 新丸子駅周辺商店街

 東急東横線新丸子駅周辺の一部の商店街で行っている車いすの貸し出しサービスをさらに広めようと、商店街と専修大の学生らが協力して取り組みを始めた。学生らが車いすを利用する上での危険箇所を落とし込んだマップづくりに着手したほか、買い物客のアンケートを通じて利用促進策を探るという。

 同駅周辺に四つある商店会の一つ、医大通り商栄会(イダイモール)は人に優しい商店街づくりの一環で、2008年から車いす(2台)の無料貸し出しをスタート。近くにある日本医科大武蔵小杉病院の患者やお年寄りに月4〜5回利用されているという。

 一部の商店では車いすでも入店できるように店内のレイアウトを工夫したり、入り口の段差を解消したり、対応も進んでいる。

 今回、以前から商店街の活性化に関わってきた専修大商学部の渡辺達朗教授ゼミの学生らが協力。12日に学生約30人が貸し出しサービスを周知するチラシを買い物客に配布し、サービスへの反応を聞くアンケートを実施した。

 車いす利用者の立場から注意が必要な危険箇所を反映したマップを作成するため、実態調査も開始。学生が実際に車いすに乗りながら商店街の段差などをチェックして回った。完成したマップは車いすサービスの利用者に提供することを想定している。

 大学1年の女子学生(20)は「お年寄りの人は車いすの普及を期待していたが、若い人は実感が湧かないようだった。車いすの必要性への理解を広げることも利用促進には大切と感じた」と話していた。

 新丸子商店街・まるこやさしズム21推進委員会委員長で、仏具店の永松堂店主の児玉憲司さん(67)は「いろいろな方に商店街に来ていただこうと車いすの貸し出しを始めた。若い学生たちの新鮮な発想でもっと広げていければうれしい」と話している。

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