6月14日付

 福井県坂井市で盛んな「越前織」は京都西陣織の流れをくむ、きめ細かい風合いが特徴の織物。一流メーカーのタグやワッペンなどで使われているという。同市は2015年から、自治体を対象にネームカード用ストラップデザインのコンテストを開き、大賞の自治体には賞品としてストラップ100本を贈っている。コンテストを通じ、さりげなく地元の伝統産業も全国にPRする、上手な方法と思わされた。4回目の今回は諸塚村が大賞の一つに選ばれた。針葉樹と広葉樹が交わる独特の林の様子を、ストラップの長さを生かして表現した点が評価された。村が図柄の考案を依頼したのはUターンしてきた若手デザイナー。地元の宝を生かそうという点では、諸塚村も負けてはいなかった。

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