ロバート・馬場裕之と上野敏子が、旬の食材を通して生産者の創意工夫や産地ならではのレシピなどを紹介しているテレQ(TVQ九州放送)の料理番組「ごちそうマエストロ」(日曜午前11:55)。その6月23、30日の放送回にゲストでニッチェ(江上敬子、近藤くみこ)が出演するとの情報が入り、ロケ現場を取材する機会に恵まれた。
場所は福岡県宗像市の鐘崎漁港。近くの砂浜でオープニングを撮影し、「鐘の岬活魚センター」で関係者に話を聞き、公民館で馬場がアイデア料理を披露するという流れだ。絶好のロケ日和ながら6月の日差しは容赦なく、午前9時前にも関わらず気温はすでに25℃を超えていた。そんな暑さを物ともせず、出演陣は開放的な海辺で生き生きとした表情。新鮮な魚との出合いや共演者との会話を楽しんでいるように見えた。
この回(6月30日放送予定)の見どころの一つは、いけすに泳ぐ魚を選んで購入できる活魚センターでのやりとり。説明を聞きながら4人で施設内を見て回り、お笑い芸人の3人が、さまざまなボケ、ツッコミを展開していく。さすがはプロ。生きのいい刺し身を試食するシーンでは、ニッチェの2人がなんともおいしそうに食べること。嫌でも見ている者の食欲をそそる。収録の合間には筆者もご相伴に預かることができ、鮮魚ならではのおいしさを実感。その味を出演陣がどう伝えたのか、放送でお確かめを。
公民館へ移動し、調理シーンの撮影では出演者たちの会話が一層弾む。特にニッチェ・江上がいることで馬場がうれしそう。料理好き同士ならでの用語や手際が分かり合えるようだ。また、ゲストがいることで、馬場が間接的に上野への不満を明かす場面もあり、現場は笑いに包まれた。そんなふうにやりとりが盛り上がったせいか、実は収録は押しぎみに。見せどころ満載のロケ内容が30分に凝縮されることを考えると、オンエアが楽しみだ。
テレQ制作局 中須真也プロデューサー
「予算との兼ね合いで、大体半年に2回ぐらいはゲストを呼ぼうという流れがあります。(ニッチェ起用について)メインターゲットとする女性の代弁者的な存在でもあり、料理をおいしそうに食べる印象から。お二人の食べた後の表情は見どころかなと。福岡人って、福岡のものを褒めてもらえるとうれしいじゃないですか。そういう場面も見たいなと。また(福岡の食材を)普段食べ慣れていない地域の人ならではの新鮮なリアクションも期待してほしいですね」
── 収録を振り返って
上野「ニッチェのお二人ですが、馬場ちゃんと先輩後輩というのはどうなるの?」
江上、近藤「いやいや、馬場さんが大先輩です」
馬場「20年(芸歴)、やってますから」
江上、近藤「20年! われわれは15年目」
馬場「結構やってんな!(笑)」
江上「でも、大先輩で。もうずっと見てましたから。『はねるのトびら』(フジテレビ系)」
馬場「終わった(笑)」
江上「キングオブコント、優勝してますから」
馬場「2011年」
江上「準決勝で、ひな壇にいましたから」
馬場「(点数を)入れてくれた?」
江上、近藤「入れましたよ! 大好きなんですから。10点入れましたよ」
上野「どんなところが好きですか?」
江上「(驚いたように)ええ?(笑)」
近藤「ないんかい!(笑)」
江上「私は、お顔が好きです。ロバートさんの中でも顔が1番」
上野「意外だな」
江上「意外でもなんでもないですよ。めっちゃカッコイイじゃないですか」
上野「カッコイイのはカッコイイけど」
近藤「私は博(ロバート・山本博)派なんですよ、めっちゃ優しくないですか」
馬場「博は標準の人間だからね(笑)。アクもないし」
上野「そんなニッチェのお二人なんですが、江上さんがお料理芸人で、本まで出されたとか。すごいことだと」
江上「いやいや、とんでもないですよ。私は工夫もなんにもないですけど。主婦の料理なんで。3工程で書き終えるようなレシピにしているんです」
馬場「ぼく的には『第二の柴田理恵さん』みたいな。ホームパーティーやっているイメージ(笑)」
江上「後輩いっぱい呼んで『食え食え』みたいな。最終的にはいろんなものをあげたりして」
馬場「飲んじゃって、気が大きくなって」
上野「どうでしたか? 今日の料理は?」
江上「いや、すごい。馬場さんは料理芸人の中でも群を抜いているので。ケタ違い」
馬場「その分、お笑いが減ってきている(笑)。オープニングで一切ボケなかった。スタッフが不安そうに『このままいっちゃうの』という顔を(笑)。でも、たまにゲストが来てくれるとうれしいですよね」
江上「いやいや、また呼んでください。普段はいないんですか?」
馬場「いないんですよ。(上野と自分を指して)ここ、マンネリ化してるんで(笑)」
江上「確かに、それは感じましたよ(笑)」
近藤「カンフル剤みたいな」
上野「近藤さんもお料理されるんですよね?」
近藤「いやいやいや、昔よりかは、するようになりましたけど。私、米と漬物とみそ汁があれば十分なんですよ」
馬場、上野「へえ、そう」
近藤「だから上達しないんです。あと、作る相手もいないし。…ばかやろ(笑)」
江上「もう10年ぐらい、いないよね」
馬場「ぼくも10年ぐらいいないね」
上野、江上、近藤「わあ! あら? これって? ちょっと」
江上「作る人と食べる人(で相性もいい)」
馬場「いやいや、10年空けたんですよ、なんでココでいかなきゃならないの(笑)。あの山ちゃん(南海キャンディーズ・山里亮太)も福岡県が生んだ女優さんとね、ああなったわけですよ」
近藤「おんなじ女ですよ(笑)」
馬場「性別はね」
近藤「やんわりと断られた(笑)」
収録の合間にはニッチェによく見るテレビ番組を聞いた。
── お好きなテレビ番組を教えてください。
江上「私は『満天☆青空レストラン』(日本テレビ系)。この番組と傾向は似てるんですけど、昔から大好きで、食系のバラエティーが好きなんですけど、特にこの番組は食べる時に、最初に乾杯してビールをおいしそうに飲むんですよ。それが最高で。始まったころ(2009年)は、お酒を飲む番組がなかったような気がします。私は食べ物とお酒が好きなので、そのコラボが最高ですね」
近藤「私はめちゃめちゃはまっている番組がありまして。ヒロシさんが出ている『迷宮グルメ 異郷の駅前食堂』(BS朝日)っていうのがあるんですよ。これが最高なんですよ。世界各国の有名じゃない小さな駅に降りて、街を歩いてボロッボロの食堂に入ったりだとか、何かわかんないジュース飲まされたりだとか、ヒロシさんがすごくナチュラル。『うわ、おいしい』とか、むだにやんないし、『飲まなきゃよかったね』とかいうんですよ(笑)。正直で飾らない感じなんですよね。毎回録画しています」
── お二人とも食に関した番組なんですね。
江上、近藤「確かに!」
江上「食べ物に関するものはなんでも好きですね。漫画とかも食べ物系ですし、レシピ本も買いますし、食べる番組も作る番組も好きです」
── そういう番組を見ているとおなか空きませんか?
江上「そうですね、でも私、寝る前に食べる動画とか見て『よし、明日、これ食べよう』と、おなか空かせて寝るようにしています。我慢できずにその場で食べちゃうというのはないです。想像を膨らませます」
── では、小学生ぐらいの時によく見ていた番組は?
近藤「ああ、いっぱいあるからなぁ」
江上「でも私『炎のチャレンジャー』(テレビ朝日系)はめっちゃ見てましたね。ウッチャンナンチャンさんの。『これができたら100万円』とか『イライラ棒』とか『歌詞を見ずに歌いきったら~』といった企画がありましたね。チャレンジものが好きでしたね」
近藤「私はバラエティー全般は見てましたけど『ごっつええ感じ』(フジテレビ系)とか。すごくバラエティーを見る家庭だったので」
── 今度はバラエティーという共通点ですね。
江上「でも『世界の車窓から』(テレビ朝日系)とかもよく見てましたね」
── 分かりました。どうもありがとうございます。