心臓病の女児に救いを 渡米移植へ、救う会発足

米国での心臓移植を待つ野村南美ちゃん(救う会提供)

 重い心臓病と闘う生後8カ月の野村南美ちゃん=川崎市多摩区=を救おうと、両親と友人らが「救う会」を立ち上げた。渡米による心臓移植に必要な2億8千万円を集めるため、13日から街頭での募金活動を開始。「小さな体でがんばっている南美ちゃんに早期の移植を実現させてあげたい」。願いを込めて協力を呼び掛けている。

 南美ちゃんは生後6日目に心臓に雑音が確認され、その後、拡張型心筋症の一つで希少難病の心筋緻密化障害と診断された。心臓の一部がスポンジ状のままで筋肉として動かない状態になっているという。

 今年3月以降は心不全が悪化し、ミルクがほとんど飲めなくなった。同月14日に人工呼吸器を取り付け、4日後には補助人工心臓を装着した。笑顔も出るようになったが、補助人工心臓は合併症のリスクが高く、1年間の使用が限界だという。

 両親の野村亮介さん(37)、麻菜さん(32)は国内の子どもの心臓移植例が少数にとどまっていることを踏まえ、米コロンビア大病院での心臓移植手術を決意した。だが、海外では保険が利かず、必要な医療費や渡航費が多額になる。

 亮介さんの小学校時代からの友人で会社員の杉山尚也さん(37)が、南美ちゃんの闘病を知り、知人や友人と「救う会」を立ち上げた。

 13日に川崎市役所で会見した亮介さんは「南美は生まれてからほとんど病院で過ごしている。補助人工心臓を装着しているので、抱っこできない。親のぬくもりを与えたい。早く日常の生活を送らせてあげたい」と協力を願った。麻菜さんは「生きるチャンスをください」と声を詰まらせた。

 救う会は今後、川崎市内などで街頭募金活動を展開。振込先として金融機関口座も開設している。問い合わせは同会電話044(819)8824。

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