岡本太郎とパチリ まち歩き満喫へ、多摩区がARスポット

岡本太郎美術館にあるARスポットでは岡本太郎と一緒の写真を撮ることができる

 岡本太郎とツーショット写真はいかが-。手持ちのスマートフォンを使ってそんな機能を楽しみつつ、街歩きを満喫してもらう試みが、川崎市多摩区の生田緑地周辺で始まった。スマホでQRコードを読み込むと拡張現実(AR)カメラが起動するスポットを9カ所に開設。取り組みを進めた区の担当者は「どのスポットでどんなコンテンツが出てくるか、歩いて確かめてほしい」と呼び掛けている。

 ARスポットは、生田緑地の最寄り駅となる登戸駅のペデストリアンデッキや向ケ丘遊園駅南口の駅前広場に設置。生田緑地東口をはじめ、日本民家園や岡本太郎美術館など緑地内の各施設にも置かれ、来訪者に各施設を巡ってもらうことを意識した。

 ARカメラが起動すると、スポットにちなんだキャラクターや乗り物が画面に登場する。一緒に写真を撮ることができるほか、その場所でしか見ることのできないコンテンツを楽しめる仕組みになっている。

 「岡本太郎美術館では、太郎さんとツーショット写真を撮ることができる。その他のスポットで何が見られるかは、実際に足を運んでみてからのお楽しみ」と区担当者。来年3月まで9カ所で運用し、アクセス記録などを参考にしながら、徐々にスポットを増やしていきたい考えだ。

 生田緑地を巡っては、小田急電鉄が昨年11月、閉園した向ケ丘遊園の跡地について温浴施設や商業施設などを整備する計画案を発表した。市もこうした動きと歩調を合わせて、生田緑地整備の考え方を3月にまとめた。

 市の計画では、同園跡地近くの藤子・F・不二雄ミュージアムやばら苑のあるゾーンを「東地区」、日本民家園や岡本太郎美術館、かわさき宙(そら)と緑の科学館の所在地を「中央地区」、川崎国際生田緑地ゴルフ場を「南地区」にそれぞれ分類。各地区間の回遊性を高めるため、散策路の整備方針などを打ち出している。

 今回のARスポットも、回遊性向上を狙った取り組みの一環で、区担当者は「生田緑地には、豊かな自然と多彩な文化芸術施設が数多く集まる。今回の試みがそうした魅力のPRにつながればいい。登戸や向ケ丘遊園駅との回遊性が高まれば街のにぎわいにもつながる」と効果に期待を寄せている。

 ARスポットの設置場所は区が配布するチラシやホームページで確認できる。

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