石木ダム 行政代執行しないで 社民と共産、県に要望

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 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業について、社民党県連(吉村庄二代表)と共産党県委員会(山下満昭委員長)は17日、家屋の撤去や住民の排除といった行政代執行に踏み切らず、反対地権者と話し合うことなどを長崎県にそれぞれ申し入れた。

 石木ダムを巡っては、家屋13世帯を含む約12万平方メートルの明け渡しを地権者に求める裁決を、県収用委員会が5月21日付で出した。期限までに応じなければ、県と佐世保市は知事に行政代執行を請求でき、知事が対応を判断することになる。

 社民県連は県地方自治研究センター(舟越耿一理事長)と連名で、「強制収用の手続きを直ちに取りやめ、工事を中断」することなどを求める申し入れ書を中村法道知事宛てに提出。吉村代表は県が過去に実行した強制測量が住民の不信感を招いたことに触れ、「(行政代執行になれば)県政の汚点。本当にダムが必要かどうかから検討し直してほしい」と求めた。舟越理事長は「地権者の気持ちになって、話し合いで解決してほしい」と述べた。

 共産県委員会は中村知事宛てに「(反対地権者の願いは)行政運営においても最大限尊重されるべき」などとする申し入れ書を提出。堀江ひとみ県議は「明け渡し期限が明確になり、切羽詰まっている。知事には行政代執行しないという立場に立ってもらいたい」と要望した。

 双方の申し入れに応じた平田研副知事は「石木ダムは必要不可欠な事業。行政代執行はあらゆる選択肢の一つで、さまざまな状況を見極めながら総合的に判断する」と述べるにとどめた。