外国人に選ばれる町に バイリンガル向けサイト開設 誘客へ 業務マッチング

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 外国人観光客向けサービスを手掛ける「FUSO japan」(長崎県長崎市)は、長崎県内在住のバイリンガル(2カ国語を話す人)の語学力を生かして、外国人客の受け入れ強化を目指す長崎県内企業などを支援する取り組みを始めた。同社が企業や行政機関から受託した語学力を要する業務とバイリンガルとをつなぐサイトの運用を5月に始めた。

 サイト名は「Bilingual Network NAGASAKI」。同社によると、長崎県内では初めての取り組みという。東雄一社長(46)は「多言語話者を組織化して力を発揮してもらうことで、外国人に選ばれる町にし、外国人が消費しやすい環境をつくる手伝いをしたい」と話している。

 同社は英字フリーペーパー「NAGASAKI Cool」の発行や、企業や店舗のコンサルティングなどを手掛けている。サイト開設は、2020年の東京オリンピックなどで外国人観光客の増加が見込まれる中、受け入れ態勢を整備して外国人客を取り込むことで、長崎の経済活性化につなげることが目的。開設には長崎市の「交流の産業化リーディング事業費補助金」を活用した。

 バイリンガルの登録は無料。長崎県内在住で20歳以上であることが条件。経験は問わない。関心のある業務や習得している言語を登録し、該当する業務が入ったら案内を受ける仕組み。登録する業務としては、メニューや商品の案内などをする「翻訳・通訳」、店作りや商品開発などを支援する「ショップサポート」など8分類を想定している。在宅勤務や1日のみの勤務なども準備し、ライフスタイルに合わせて働きやすいようにするという。

 5月から本格的に人材募集を始め、登録者はこれまで約35人。大学生が多いという。現在、求人がある業務は、クルーズ船で長崎を訪れた欧米人にフリーペーパーを配布し案内する同社の業務のみだが、今後増やす予定という。企業の相談も随時受け付けている。

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