6月19日付

 気のせいだろうか。西米良村の人たちは「ある」「なし」に敏感だ。4月から村の取材担当になったことを伝えると「西米良にもうまいラーメン屋がある」「スナックも」などと教えてくださる。村議選では有権者が「中学卒業後に進む学校や働ける場がない」と語り、昨日から掲載中の「まちむらぐるっと」では村所小1年の吉良武琉君が「保育園にはなかったブランコが小学校にある」と話してくれた。「ない」を「ある」に変えようとする人も多く、村所の濵砂道太さんは地元雇用創出のため、林業や観光ビジネスを積極的に手掛ける。同校2年の藤高千早さんは「西米良にないケーキ屋さん」になり、皆に食べさせたい。平地が狭い山あいだからこそ育まれる、創造的な気風に触れた思いがしている。

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