日本マーケティング協会 地域賞 南島原・宅配クリーニング「クラスタス」 ネットで全国展開 市場活性化に貢献

マーケティング大賞の「地域賞」を受賞したクラスタスの神崎健輔さん=南島原市有家町

 日本マーケティング協会(東京)はこのほど、市場活性化に貢献した企業・自治体などを表彰する「第11回日本マーケティング大賞」の地域賞に、南島原市有家町の「クラスタス」の宅配ネットクリーニングサービスNexcy(ネクシー)を選んだ。21日に東京で表彰式がある。
 クラスタスは、取締役最高技術責任者の神崎健輔さん(37)が実家のクリーニング店を継いでいた弟の光博さん(34)らと事業拡大のため2014年に設立。ネットで申し込みを受け、洗濯物を宅配便で引き取り、仕上げて宅配で届けるサービスを全国展開している。
 さらに、顧客に有益な洗濯情報をブログやSNSで発信。品質への信頼とPR効果で年々成長。現在、会員数は約1万人で18年には受注件数を前年の2倍の6千件に増やした。
 協会は授賞理由を「地方の小規模会社が、地理的なハンディも物ともせず、デジタルの力で全国区のビジネスにし、地方活性化に携わる人々に元気を与えた」としている。
 神崎さんは「南島原市に限らず本県は人口流出が相次ぎ、事業展開が難しい。ならば、と電子商取引(EC)に打って出た。とがった個性が認められたのかも」と喜んでいた。
 同大賞は年に1度優れたビジネスモデルの開発などを表彰しようと09年に創設。大手企業の役員や大学教授らが選考委員を務め、マーケティング事例を選出している。今回は151件の候補の中から「ポカリスエット」(大塚製薬)がグランプリに選ばれた。クラスタスが受けた地域賞のほか、準グランプリ、奨励賞がある。

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