ロマ音楽に魅了されたバイオリニスト 8月、横浜で本場の熱気を再現へ

ロマ音楽を演奏するMasahiRoさん(右)と斎藤さん=5月10日、みどりアートパークのホール

 ハンガリーで本場のロマ音楽に魅了されたバイオリン奏者Bohemianist・MasahiRo=本名・丸茂雅宏さん(30)=が、横浜市内を中心に演奏活動を続けている。日本との外交関係樹立150周年の今年。首都ブダペストの酒場の生演奏が忘れられず、日本では珍しい「ハンガリーの酒場」の雰囲気を8月、バイオリンなどで再現する。

 カナダ生まれのMasahiRoさんは、4歳からバイオリンを習い2009年に東京オペラシティでデビュー。その後、独学で習得したロマ音楽が本場で通用するか確かめようと11年夏、ハンガリーを訪れた。

 招かれたブダペストの酒場で披露したバイオリンの即興演奏が評価され、地元の「ブダペスト・ジプシー・シンフォニー・オーケストラ」と共演した。

 「ロマ音楽には、社会にこびず自由な生活を送る精神が流れ、迫害の歴史で傷ついた人の心を癒やすとされる」と魅力を語るMasahiRoさん。

 3年ほど前、横浜で新人オーディションを企画・運営したピアニストの斎藤真理恵さん(55)の目に留まった。「技術の素晴らしさだけでなく情熱あふれる演奏」と高く評価。約1年前から横浜や都内で一緒に公演活動を始めた。

 緑区長津田のみどりアートパーク(同区民文化センター)で行った5月の公演で観客の反応に手応えを感じたMasahiRoさん。「酒場の熱気がよみがえった。クラシックとロマ音楽の迫力を伝えたい」と、酒場での演奏の再現を思い立った。会場となるロビー「ホワイエ」には、古びた木箱やワインの空き瓶などのセットをつくり、酒場らしい照明で本場の雰囲気を醸し出す予定。

 「ナイトラウンジアートパーク~ボヘミアンサウンドに酔いしれる夜」は同パークで8月23日午後6時オープン、7時開演。「日本・ハンガリー外交関係開設150周年」認定事業。入場料は1ドリンク付き2千円(スタンディングスタイル、休憩用いすあり)。問い合わせは、同パーク電話045(986)2441。

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