元釣具屋がおススメする鮎竿8選!入門~中級クラスはこれ! 鮎は「友釣り」という他に類を見ない釣り方を行います。この友釣りを行うには専用の竿が必要です。今回は鮎竿の選び方をはじめ、各メーカーのおすすめアイテムを元釣具屋のTSURI HACKライターが厳選してお届けします。

鮎竿の気になるQ&A

友釣りという独特な釣法で狙う鮎。友釣りとは、おとり鮎を野生の鮎の縄張りに入れて、威嚇して攻撃してきたところを針に掛ける釣り方のこと。

世界的にも類を見ない釣り方で、解禁シーズンともなれば多くの鮎釣り師を夢中にさせる釣りです。

本記事では、元釣具屋のTSURI HACKライターがその鮎釣りで必要となる鮎竿の選び方から、おすすめアイテムまでご紹介していきます。まずは鮎竿の気になる疑問にお答えしました。

Q1:なんであんなに長いの?

鮎竿が長い理由は、極細の釣り糸を使っておとり鮎をスムーズに泳がせるため。極細の釣り糸は竿が短いとクッションの役割が果たせず、すぐに切れてしまいます。

また遠くのポイントに鮎を届けやすく、操作がしやすいことも鮎竿が長い理由です。もし竿が短ければ友釣りを上手く成立させることは難しいでしょう。

Q2:価格で性能ってそんなに変わる?

数万円のものから数十万円するものまである鮎竿。実際、手に取ってみると分かりますが、価格によって自重が全く違います。

基本的には高価になればなるほど自重は軽くなります。スペック上ではその違いが数十グラムかもしれませんが、釣り場において伸ばして使うと手元で感じる負荷が大きく違うことが分かるでしょう。

また、おとり鮎がどのように泳いでいるのか手に取れる感度や、鮎を抜き上げる際のパワーも、高価なもののほうが優れた性能を持っています。

Q3:ズーム機能付きのメリットは?

鮎竿の中には、竿の長さを2段階に切り替えられるズーム機能付きモデルがあります。

ズーム機能があると、例えばおとり鮎を泳がせている間は長めにして操作性を良く、鮎が掛かったら短めにしてやり取りと抜き上げがしやすくする等の使い分けができます。

他にも風の強さやポイントまでの距離によって長さを変えられると便利な場面は多いです。

初めて鮎竿を買う際の選び方

ここでは初めて鮎竿を買う人に向けて、基本的な選び方をご紹介します。他の釣り竿とは選び方や表記がちょっと違うので参考にしてみてください。

長さ

鮎竿には、7~11メートルと様々な長さがあります。短ければ竿の操作はしやすいですがおとり鮎を上手く泳がせることが難しく、長すぎると手元に掛かる負荷が大きくなって疲労が溜まりやすくなってしまいます。

初めて鮎竿を買うのであれば中間的で汎用性が高い8~9メートルの長さを選ぶのがベストです。

硬さ・調子

他の釣り竿以上に、各メーカーで硬さや調子の表記が異なり分かりにくい鮎竿。例を挙げると硬中硬や超硬、早瀬や急瀬などメーカーによって様々な表記があります。

例の中で言えば、初心者の方においては硬中硬や早瀬といったスタンダードなモデルから始めるのがおすすめです。ただし、先にも上げたようにメーカーによってこれらの表記は異なるので、気になったモデルの商品説明からどれがスタンダードなモデルなのかを見ていくほうが確実です。

自重

鮎竿は自重が数十グラム違えば、手元に掛かる負担が大きく変わってきます。そのためできるだけ自重が軽い製品を選ぶようにしましょう。

ただし、自重が軽くなると同時に価格も上がりますので、予算内でできる限りよいものを選ぶと良いでしょう。

鮎竿はとにかく繊細!取扱注意

鮎竿は自重を軽くするため、とにかく繊細な作りをしています。特に注意したいのが傷です。

竿に傷が入ると、その部分に集中的に負荷が掛かって折れやすくなってしまいます。釣りの最中に竿を石にぶつけたり、収納時に他の道具とぶつかってしまったりすることが無いように、取扱いにはくれぐれも注意してください。

ハイエンドの竿は何であんなに高いの?

価格が高い理由は、使用されているカーボン素材の質と量によるところが大きいのです。

他の釣りで使う2~3メートル程度の竿であれば、カーボン素材の質を上げても量はあまり必要としないためそこまで大きな価格差はありません。

しかし、鮎竿のように長さがあると量が必要となり、カーボン素材の質の違いによる価格差が顕著に表れてきます。

【ダイワ製】おすすめの鮎竿

大手総合釣り具メーカーで人気のダイワには、用途や調子が細分化された30種類以上の幅広い鮎竿のラインナップがあります。

ハイエンドモデルには超高密度カーボン「スペシャル Z-SVFナノプラス」などを採用し、これ以上ない軽さとパワーを実現。

低価格帯のものであっても高弾性カーボン「HVF」が採用されているので十分な軽さとパワーがあるのが特徴です。

プライム アユ 早瀬抜 80・Y

『プライム アユ』は入門者におすすめの鮎竿。低価格ながらHVFナノプラスカーボンを採用し、ズーム機能付きモデルもラインナップされています。これから鮎釣りを始める人は早瀬抜 80・Yをまずは使ってみてください。

アバンサー 急瀬抜 95M・J

『アバンサーシリーズ』は、同シリーズ内で様々なシチュエーションに対応する豊富なラインナップが魅力。基本的な早瀬対応モデルから大鮎対応モデル、さらには全長約6メートルの珍しい短尺モデルまで、ベテラン鮎師も納得のフルラインナップとなっています。急瀬抜 95M・Jは初心者からのレベルアップを図りたい中級者におすすめのモデルです。

銀影エア メタルチューン 90・E

『銀影エア メタルチューン』は、ダイワ鮎竿最高峰にしか採用されていなかった「SMTチューブラー(ハイブリッド型)」を搭載したミドルクラスの鮎竿です。柔軟性・操作性・パワーをバランスよく持った穂先は、おとり鮎を上手く泳がせて野鮎を掛けていきやすい仕様。ラインナップは90・Eのみで、中級者の方におすすめのモデルです。

【シマノ製】おすすめの鮎竿

ダイワと並び大手総合釣り具メーカーで高い信頼を集めるシマノ。シマノの鮎竿は高いカーボン製造技術をふんだんに盛り込んであり、各価格帯に万遍なくラインナップがあることが特徴と言えます。初心者から上級者まで、レベルに合わせた納得の1本が見つけられるはずです。

友鮎 85NM

シマノの鮎竿で最も低価格な『友鮎』は、鮎釣り入門に最適な1本です。価格は抑えつつ強さと軽さを実現する「スパイラルX」や、人気のFW調子の採用で抜群の使いやすさを誇ります。中間的モデルの85NMからまずは手にしてみることをおすすめします。

ナイアード NF H2.6 90NF

赤いブランクスに目を引かれる『ナイアード NF』。鮎竿としては比較的低価格な部類ながら、手にしてみるとその性能の高さを感じられるはず。シリーズの中で最も軽さを重視した90NFは、エントリーモデルよりワンランク上の性能を持った鮎竿が欲しい初心者におすすめの1本です。

プロセレクト VS NP 90NP

上位機種が切り開いてきた調子「バーサトルアクション」=VS調子を採用したミドルクラスの鮎竿です。性能・場所・釣り方のどれをとっても高いバランスの良さを誇り、上級者でも愛用者が多いシリーズとなっています。スタンダードモデルの90NPは、シリーズの中でもより幅広いシチュエーションに対応出来る1本です。

【がまかつ製】おすすめの鮎竿

磯釣り師御用達メーカーのがまかつは、鮎竿も人気が高いです。特徴的なのは磯竿にも見られるロッドパワーと装飾の細やかさ。

また、上位モデルには替穂先が複数付いていることも特徴です。他のメーカーに比べて少し価格は高めですが、その分鮎釣りを存分に楽しめることでしょう。

がま鮎 マルチフレックス100 伸徹II 8.1m

『がま鮎 マルチフレックス100 伸徹II』は、がまかつで最もお手頃な鮎竿です。チューブラーの穂先にダイレクトトップの採用したことによる高い感度と、ポイントによって長さを変えられる「マルチフレックス100」機能が特徴となっています。9mは長さ8mに切り替え可能で、釣り場の川幅によって使い分けがしやすいモデルとなっています。

がま鮎 スピカ 硬中硬/9.0m

がまかつ特有のロッドパワーを体感しやすい『がま鮎 スピカ』。柔軟性があるのでおとり鮎が弱りにくく、掛けてからはバレにくい特徴があります。多少やり取りに慣れていなくても、その柔軟性がサポートしてくれるはずです。小さなおとり鮎も弱りにくく、20センチ越えの鮎にも十分対応出来るパワーをもった硬中硬/9.0mがおすすめです。

奥深き鮎釣りの世界へ

一昔前は手が出ないほど高い製品が多かったですが、今では手にしやすい価格帯の鮎竿も多くなっています。他に類を見ない鮎の友釣りはとても奥が深く、普段餌やルアーを楽しんでいる方もぜひ一度体験してみてほしいものです。ぜひ本記事でご紹介した鮎竿を手に、鮎釣りに挑戦してみてください。

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