観光消費1497億円で過去最高 長崎市 18年市統計 観光客数は4年ぶり減

観光客数、観光消費額の推移

 長崎市は19日、2018年の観光統計を発表した。17年まで4年連続過去最高を更新していた観光客数は、前年より2万2300人(0.3%)少ない705万5400人となった一方、観光消費額は前年より39億円(2.7%)増の1497億円で、過去最高となった。市は、宿泊客数の増加が、消費額を押し上げたとみている。
 中国のクルーズ船市場が過熱し、寄港地の選択肢が増えた影響で、長崎への入港隻数は前年比47隻減の220隻。乗客・乗員数も同11万6千人減の93万6046人となった。市は航空機や観光バスなど自動車による入り込みが増えたことで、観光客数減が0.3%にとどまったとみている。
 観光客数のうち、日帰り客は前年比13万1千人減の438万9800人。宿泊客数は266万5600人と前年に比べ同4.3%増。市は、過去最高の観光客を記録したランタンフェスティバルをはじめとした夜間イベントの取り組みや「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録などを要因として挙げている。
 1人当たりの市内観光消費額は日帰り客が、前年比37円減の1万5268円とほぼ横ばい。宿泊客が同1033円増の3万1012円だった。
 市観光政策課の担当者は「2020年までに、観光客数710万人と観光消費額1600億円を達成することが目標。宿泊滞在型観光を強化しながら、移動距離が長く、宿泊日数の多い傾向にある欧米系の観光客誘致にも取り組みたい」としている。

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