香港デモ象徴する写真、加工されていた

By 太田清

「逃亡犯条例」改正案の撤回を求め香港中心部の道路を埋めるデモ参加者ら=16日(共同)。加工された写真は記事中にリンクを貼っています

 中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の撤回を求める香港のデモの規模を象徴する写真としてSNSで広く拡散した大通りを埋め尽くす民衆の写真が、デモの規模を強調し写真を左右対称に見せるために画像編集ソフトで加工されたものであることが明らかになった。米CNNテレビ(電子版)が20日までに伝えた。 

 写真は香港のヘネシーロードに面するビルの上階から撮影されたものだが、トリミングされた上に左右が対称になるよう修正されていた。また写真は、デモ参加者が1997年の香港返還以降で最多の「200万人近く」(主催者発表)になったとされた16日に撮影されたものとして拡散したが、実施は前週の9日のデモを撮ったものだった。 

 写真はディーコン・ルイ氏と名乗る人物が11日に自らのインスタグラムにアップし丸カッコで加工している旨説明していたが、拡散する過程でそうした説明が抜け落ち、16日のデモのものであるかのように伝わったものとみられる。ディーコン・ルイ氏は同じインスタグラムのアカウントに修正前の写真も掲載している。

 https://www.instagram.com/p/Bykf8Usgq4l/

 2014年の民主化デモ「雨傘運動」のリーダーの一人であるネイサン・ロー氏も16日のデモに200万人が参加したとする自らのツイッターに、この写真を使用していた。(共同通信=太田清)

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