夏のボランティア 高校生の参加者急増 大学入試改革の影響か

 県社会福祉協議会が毎年夏に実施する「サマーボランティア・キャンペーン」に参加する高校生が年々増加している。2020年度に控える大学入試改革で、学力だけでなく主体性も重視されることが影響したとみられる。
 キャンペーンは夏休みを活用してボランティアに気軽に参加してもらおうと、1995年に始まった。希望者は県や各市町の社協に申し込むと、社協が希望者と受け入れ先のマッチングをする。今年は7月1日~9月30日、介護や保育など県内各地で442プログラム(夏季限定165、通年277)の中から選択できる。
 県社協によると、近年の延べ参加者数は▽2016年度3054人▽17年度3258人▽18年度3744人-と推移。このうち、高校生は▽16年度414人▽17年度654人▽18年度1100人-と増加し、全体の参加者数を押し上げている。
 高校生のボランティア活動が増えている背景には、目前に控えた大学入試改革の影響があると考えられている。文部科学省は17年、新制度では主体性を学力の要素の一つとし、一般入試などで今まで以上に調査書を積極的に活用するといった方針を示した。
 同省によると、調査書の様式は、ボランティアを含む課外活動の実績についてより具体的に記載するものに変更するという。県教委も「学校現場では日常的に、興味のあるものには意欲的に参加するよう促す声掛けがあっているだろう」としている。
 県社協は参加可能なプログラムを列挙した冊子を県内の学校に配るなどPR。「ボランティアは生きがいや充足感を見いだせる。動機は何であれ、参加するときっとプラスの経験になる」と呼び掛けている。

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