9条生かし国際貢献を 安保など意見交換

 憲法を考えるシンポジウムが20日、藤沢市内で開かれた。「平和憲法を持つ私たち日本が創る国際貢献とは?」をテーマに、東京外国語大教授の伊勢崎賢治さんとジャーナリストの布施祐仁さんが、安全保障法制や自衛隊の海外派遣などをめぐり意見を交わした。市民団体「あつまろーず・藤沢」の主催。

 第2次安倍晋三政権が発足し強まる改憲論に危機感を抱いた市民有志が2年前に立ち上げた団体で、憲法学者らを招いたシンポジウムを毎年開いてきた。

 国連PKO上級幹部として紛争処理や武装解除に携わってきた伊勢崎さんは「スンニ派、シーア派双方から好かれた先進国は日本だけだった」と指摘。だが自衛隊の海外派遣と米国への軍事支援を例に「今やズタズタになった。これを挽回しないといけない」と訴えた。

 出席者に向けては、「安倍首相憎しだけではいけない」「戦争反対はいいが、現代の戦争を理解しないといけない」などと強調。「9条を生かしながら自衛隊をもっと生かす方法もあるはずで、現実を理解する側に来て冷静な政策議論を」と呼び掛けた。

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