水無月に花とお寺と縁を結んで~東京『高幡不動尊あじさいまつり』

日本一の丈六不動三尊と新撰組ゆかりの地。

『高幡不動尊』と呼び親しまれている真言宗智山派別院『高幡山明王院金剛寺』は、関東三大不動のひとつであり、平安時代初期、慈覚大師円仁が清和天皇の勅願により不動明王を安置されたのが始まりです。

奥殿には重要文化財である〈不動明王坐像・せいたか童子・こんがら童子〉の〈丈六不動三尊〉が1000年ぶりに修復され安置されています。奥殿の中へ入ることはできませんが、外にある五色のお手綱はお不動様とつながっていてご縁を結ぶことができます。

不動堂には〈新丈六不動明王像〉が身代り本尊として安置され、毎日の護摩修行では、お不動様のお足元で参拝することもできます。響く読経の中、塗香を手の平でこすり身を清めてお足元で手を合わせます。護摩の炎とお不動様のお力は、雑念を飛ばすほどに圧倒的。

鎌倉時代様式の大日堂の天井には願いが叶う〈鳴り龍天井〉、新撰組の近藤勇・土方歳三の位牌など拝観できます。

広々とした境内には五重塔、その下には無料の休憩所もあり、こちらにも多くの展示がありました。

新撰組副長土方歳三の菩提寺でもあり、境内には銅像も。

雨滴に、太陽に、光る花のシャンデリア。

6月1日~30日まで開催の『高幡不動尊あじさいまつり』。まんまるフォルムの〈セイヨウアジサイ〉、日本にもともと存在している額縁のような花びらの〈ガクアジサイ〉と、ちょっと科学な目線で紫陽花鑑賞。

境内には山紫陽花の展示、宝輪閣ではガラス瓶に紫陽花の生け花があり、人の手のはいる美しさも。

期間中は、あじさい写真コンクール、あじさい俳句・短歌大会などイベントもあり、紫陽花不動香のお線香、あじさい御守も授与されています。

日野の山内八十八ヶ所巡りを紫陽花が応援!

裏山の不動ヶ丘には紫陽花散策の他に〈山内八十八ヶ所〉の弘法大師像がまつられていて、四国に行けなくとも八十八ヶ所を巡ることもできました。

自分の身長より高い紫陽花を仰ぎ見ながら、順番に沿って続く階段、導いてくれる紫陽花。

見晴らしの良い丘からは、ちょっと疲れた気持ちを新たにさせてくれる日野市の風景と吹く風。

五重塔との美しいコントラスト。

紫陽花の花言葉からのヒント。

酸性の土では藍色に、アルカリ性だと赤色にと、咲く場所の土の性質によって色を変える紫陽花。咲いて散るまでに色を変えることから〈七変化〉〈八仙花〉とも言われ、花言葉も色によって違うようです。

青は「冷淡、無情、高慢、辛抱強い愛情」、赤は「元気な女性」、白は「寛容」。ガクアジサイには「謙虚」という日本人的な花言葉も。

「青は無情」の花言葉だけれども、「諸行無常」の世の中、一定なものなんてない。物も人も変わっていいし、移ろいでいい。七色にも八色にも色を変えて、変化を楽しむ。「無情は無常」と発音してもいいかもしれない。そんなメッセージをくれているような紫陽花祭。

長靴はいて傘さして、水無月の紫陽花と八十八ヶ所を巡って縁を結ぶ散歩をしてみてはいかがでしょう。

[all photos by kurisencho]

『高幡不動尊あじさいまつり』

開催日程:6月1日~6月30日

開催場所:『高幡山金剛寺(高幡不動尊)』

住所:〒191-0031東京都日野市高幡733

受付時間:7時30分~17時

拝観時間:9時~16時

交通:京王線「高幡不動駅」徒歩3分、多摩都市モノレール「高幡不動駅」徒歩5分

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