海を見渡す場所で「お別れ」 新しい小田原市斎場を公開

相模湾も見渡せる待合室

 7月1日に供用開始する新しい小田原市斎場(同市久野)が報道陣に公開された。

 新斎場は鉄骨造2階建て。現斎場の待合棟があった場所に建てられた。延べ床面積は1階約1440平方メートル、2階約1430平方メートル。PFI方式で整備され、建設費と15年間の維持管理費は計約59億4600万円となる。

 1階エントランスはピロティ(柱のみで自由に通り抜けられる空間)になっており、入り口ドアに寄せたバスからでも雨に濡れずに入ることができる。1階の火葬炉は現状の6基から9基に増え、基本的に2基ごとに20人ほどが入れる「お別れ室」を設けてプライバシーに配慮した。

 2階の待合室は9室あり、大きさで3タイプに分かれ、ほとんどの部屋からは相模湾が見渡せる。またテーブルの天板などには小田原産の木材を使用。赤ちゃん休憩室やキッズルームもある。

 供用開始後、現在の斎場(火葬棟)は取り壊され、駐車場となるほか、広域農道から直接アクセスする進入路の整備なども行われる。駐車可能台数は74台となる予定。

 現斎場は1972年の完成で老朽化が問題となっていた。新斎場は県西部2市5町(小田原、南足柄市、大井、松田、山北、開成、箱根町)でつくる小田原市斎場事務広域化協議会で事業方針の決定を行い、PFI会社が運営する。

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