6月22日、2019年FIA-F2第5戦フランスのレース1が開催され、ニック・デ・フリース(ART)が優勝、日本の松下信治(カーリン)は9位だった。
晴天の中でレースウィークを迎えているフランス・ポールリカールの気温は27℃、路面温度は49℃。決勝レース1は30周、60分で行われ、ピットストップの義務は1回、ミディアムもしくはハードタイヤを使う必要がある。
グリッドは今シーズン初のポールポジションを獲得したセルジオ・セッテ・カマラ(ダムス)、2番手には中国人ドライバーのチョウ・グアンユー(ユニヴィルトゥオーシ)、3番手にジャック・エイトケン(カンポス)、4番手はデ・フリース、松下は7番手からスタートする。
そしてレースはスタート。セッテ・カマラがスタートで出遅れた一方で、セカンドロウのデ・フリースがロケットスタートを決め上位4台がフォーワイドに。勢いに乗ったデ・フリースが1コーナーの進入でトップへ浮上した。
後方では松下の目の前でアクシデントが発生する。10番手スタートのショーン・ゲラエル(プレマ・レーシング)がS字コーナーのインをカット、勢いそのままに同僚のミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)を後方から跳ね飛ばしてしまう。
マシンが宙を舞ったシューマッハーは「後ろから誰かに突き飛ばされた」とピットに戻った直後のインタビューにコメント。怪我はないようだが、両者はマシンを壊してしまいプレマの2台が1周足らずでリタイアに。
またラルフ・ボスチャング(トライデント)とニキータ・マゼピン(ART)も接触のためストップし、さらにドリアン・ボッコラッチ(カンポス)がコース上でマシンをストップ。このためレースはバーチャル・セーフティーカー(VSC)導入直後に赤旗中断となった。
約15分の中断を経て5周目からデ・フリースを先頭に、エイトケン、セッテ・カマラ、グアンユーの順にレースは再開する。
そしてバトルはコース上からピットに移る。7周目、セッテ・カマラ、松下らがピットイン、ハードタイヤに交換する。ここからソフトタイヤでスタートした各車が続々とピットインした。
そしてピットインを済ませた暫定12番手のラティフィが10周目に左コーナーで松下のアウトから仕掛けるも軽く接触。幸い両者のマシンにダメージはなく、レーシングアクシデントとしてカウント。両者には2秒弱の差が生まれた。
松下のバトルは続く。後方に下がったラティフィをパスしてきたカラム・アイロット(ザウバー・ジュニアチーム)が15周目、松下をテールトゥノーズで捉え、右コーナーでインに飛び込む。しかしリヤが流れ松下の右サイドと接触、松下はブルーライングラベルに乗るも順位そのままでコースに復帰。
一方のアイロットはスピンし、ここでレースを終えることに。そしてアイロットのマシン回収のためVSCが1分ほど導入された。
ふたたびレースが動いたのは暫定上位勢がタイヤ交換のピットに入った22周目あたりから。全車がピット作業を終了し順位が整理され、序盤にピットインしていたデ・フリースがトップに返り咲く。
25周目、ファン-マヌエル・コレア(ザウバー・ジュニアチーム)がルカ・ギオット(ユニヴィルトゥオーシ)と並走し右コーナーへ。その際ギオットの右タイヤがコレアと接触、当たり所が悪くギオットはサスペンションを壊してしまいマシンを降りることに。そしてマシン回収のため今日3度目のVSCが導入された。
残り3周でVSCは解除され、今度は2番手エイトケンと3番手セッテ・カマラが0.3秒差の超接近戦を展開。そして29周目のホームストレートでDRSを使ったセッテ・カマラが2番手に浮上。
このまま順位変わらずチェッカーフラッグが振られ、デ・フリースは前戦モナコのレース1に続く勝利で今シーズン3勝目。セッテ・カマラが2位、エイトケンが3位に入った。
松下は29周目にコレアとのバトルでアウトに押し出され、タイヤを痛めたことでペースダウン。フバートにパスされ9位でフィニッシュ。ポイントは獲得するもレース2でのポールスタートとはならず悔しい結果となった。
ポイントランキング首位はデ・フリースの121点。ニコラス・ラティフィ(ダムス)が105点で2番手、エイトケンが77点で3番手につけている。
レース2は日本時間6月23日(日)18:25から行われる。
■FIA-F2第5戦フランス 決勝レース1 リザルト
Pos. No. Driver Team Time/Gap SP
1 4 N.デ・フリース ART 30Laps 4
2 5 S.セッテ・カマラ ダムス 8.338 18
3 15 J,エイトケン カンポス 9.775 7
4 7 Z.グアンユー ユニ ヴィルトゥオーシ 20.153 6
5 6 N.ラティフィ ダムス 22.599 8
6 16 J.キング MPモータースポーツ 24.131 2
7 12 J-マヌエル・コレア ザウバー・ジュニアチーム 28.668 19
8 19 A.フバート BWTアーデン 29.959 3
9 2 松下信治 カーリン 32.821 11
10 20 G.アレジ トライデント 39.757 20
11 18 T.カルデロン BWTアーデン 1’09.371 13
12 17 M.ラフーナサン MPモータースポーツ 1Lap 16
13 8 L.ギオット ユニ ヴィルトゥオーシ DNF 5
14 1 L.デルトラズ カーリン DNF 12
15 11 C.アイロット ザウバー・ジュニアチーム DNF 1
16 14 D.ボッコラッチ カンポス DNF 14
17 9 M.シューマッハー プレマ・レーシング DNF 15
18 3 N.マゼピン ART DNF 17
19 21 R.ボスチャング トライデント DNF 10
20 10 S.ゲラエル プレマ・レーシング DNF 9