【美女の乗るクルマ】-scene:12- スバル フォレスター × 森脇亜紗紀

スバル フォレスター × 森脇亜紗紀

ミステリアスなヒッチハイカー森脇亜紗紀の想いとは

亜紗紀が僕の部屋に住み着いたのは、ちょうど昨年の今頃だ。それは愛車を買い換えた時期とほぼ重なる。

新しく買ったのは、スバルの新型フォレスターだった。それまで中古のインプレッサに乗っていた僕が、どうして突然、新車を買えたのかといえば、それはまだ誰にも話したことのない秘密のおかげである。宝くじが当たった。

もちろん亜紗紀にも話していない。果たして、彼女はそのことに感づいているのか、時折、僕がドキッとするような言葉を放つのだった───。

(この物語はフィクションです。)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

スバル フォレスター × 森脇亜紗紀
スバル フォレスター × 森脇亜紗紀

亜紗紀はいつも早朝に起きて、フォレスターのキーを手に取り、ガレージのシャッターを開け、近所の海へ出かけてゆく。僕はその時、まだ半分夢の中だ。やがて亜紗紀が帰宅して、朝食を作る際に生じる小さな音と香ばしい匂いで、僕はベッドからはい出しはじめる。

昨年の春、億単位の金額が当選したことを知り、僕は勤めていた会社を辞めた。しかし、別にやりたいこともなかった。家を買ってあげたくなるような家族もいなかったし、ブランドものが好きな恋人もいなかった。とりあえず、モデルチェンジしたばかりのフォレスターを買って、日本一周の旅に出ることした。

フォレスターを選んだ理由はこうだ。まず、街でよく見かけるようになったこと。もともと目立ちたがり屋とは正反対の僕にとって、よく見かけるということは、大きな選択理由となった。

また、5代目フォレスターはフルモデルチェンジでありながら、いい意味で、“代わり映えのしない”デザインだった。先代モデルから引き継いだ、SUVらしい力強さがあって、機能性が凝縮されたようなスタイリングは、ずっと憧れだったのだ。

もちろん中身だって魅力的だ。言うまでもなく、水平対向エンジンにモーターアシストをプラスした「e-BOXER」車を選んだ。

SUVなのに低燃費なら、給油回数を減らせて、旅が快適になることが予想された。それでいて、旅の途中でどんな道に遭遇しても乗り越えられそうな、高性能なAWDによる高い走破性能を備えているのが決め手となった。

スバル フォレスター × 森脇亜紗紀

亜紗紀を拾ったのも、その旅の途中だ。彼女はヒッチハイカーにしては、上品な面持ちだった。フォレスターを道端に止めると、「乗せて」とひと言だけ言って、さっさと助手席のドアを開け、車内に入り込んできた。その顔を見て、素直に「いい女だ」と思ったことを覚えているが、まさかそのまま最後まで一緒に旅をし、さらに同棲することになるとは、あの時は想像だにしていなかった。

「今日は一緒に、遠くの海へドライブに行きたいな」

出会った時のことを思い出しながら朝食を食べていると、亜紗紀はあどけない笑顔でそう言った。毎朝、海へ行っているのに、まだ海を見たいの? と言おうとしたが、日々、開店休業状態の僕には特に断る理由もなく、手早く服を身につけると、二人でフォレスターに乗り込み、自宅を後にしたのだった。

スバル フォレスター × 森脇亜紗紀

胸の鼓動を、彼女に感づかれないようにするのに必死だった

スバル フォレスター × 森脇亜紗紀

亜紗紀は躍動的で、機知に富み、それでいて豪胆な女性だ。旅が終わると同時に、それまで住んでいた自宅アパートから、新宿の飲み屋街とか、アムステルダムのカフェとか、パリの下町とか、過去の旅で撮ってきた、大量の風景写真を持ってきて見せてくれた。そして、僕が住んでいた街を「海が近くていい被写体になりそう」と言うなり、すべての荷物を運び込んできたのだった。

出会った時から決して言葉数は多くなかった僕たちだが、今ではさらに会話が少なくなった。しかし、フォレスターでドライブをしている時だけは、自然と言葉が口を衝いて出る。

亜紗紀:「ね、ちょっとこっち向いて」

僕:「危ないよ」

亜紗紀:「向いてったら〜」

僕:「一瞬だけだぞ……あ、怒られた」

亜紗紀:「ん、どしたの?」

僕:「このクルマにはセンサーがついてて、僕の顔を常にチェックしてるんだ。だからよそ見してると、ここのディスプレイに警報がでる」

亜紗紀:「なんて?」

僕:「『前方注意』だって。あと『その女にも注意』だって」

亜紗紀:「ひどーい、フォレスターったら」

笑っている間に、フォレスターは海底トンネルを抜けパーキングエリアに到着した。休日になると観光客でにぎわうこのパーキングエリアは、周囲を海に囲まれているため、クルマを降りた僕たちの鼻先を、海風がやさしくくすぐってくる。

スバル フォレスター × 森脇亜紗紀

亜紗紀はトイレへ行くと言ったので、僕はカフェで熱いコーヒーを買ってきて、立ったまま飲み干した。しかし、いくら待てども帰ってくる気配がない。仕方なく彼女を探して施設のなかを歩いてみることにした。海が一望できる展望フロアへ出てみると、後ろから「おい、そこのラッキーマン!」と呼ばれた。

その言葉に眉をひそめた。もしかして、亜紗紀は宝くじのこと、やはり感づいているのだろうか。出会った頃、働かずとも暮らしていける理由について、「マンションを一棟持ってる」と言った嘘を疑っているのだろうか。

「おいおい、誰がラッキーマンだって?」

明るく言ったつもりだが、僕の声は乾いていた。

「お前に決まってるだろー!」

亜紗紀はそう言いながら抱きついてきたが、僕は早まる胸の鼓動を、彼女に感ずかれないようにするのに必死だった。

高額の宝くじが当たれば、人生が幸せでたまらないと思われがちだが、実際は寂しくてたまらなかった。言いたくても言えない。愛する人がいても、どこか信用できない。寝ても覚めても寂しさに包囲されていた。そして、表面的なことだとしても、普通の生活を送るには、たくさんの努力が必要だった。

スバル フォレスター × 森脇亜紗紀

寄せては返す波の色によく映えるホライゾンブルー・パール

スバル フォレスター × 森脇亜紗紀

パーキングエリアを出ると、湾上にかかる橋を走行する。広大な空は眩しいばかりに晴れていて、僕たちを照らしてくれているようだったが、僕の心は、焦りのせいでまだ曇っていた。

橋を渡りきり、かつて訪れたことのある、人気のあまりない海岸に到着すると、砂浜のなかまでクルマで乗り入れた。もちろん、そのスタイリングがフェイクでなく中身、つまり走行性能も伴っているフォレスターなら、砂浜だろうと何だろうと否応なく、走りきることができる。

深い青の海はまだ海水浴には時期尚早だったが、気候は十分に暖かく、亜紗紀はフォレスターから降りるとキャーッと声をあげて走り出した。僕は砂が靴の中に入るのが嫌なのでゆっくり歩いたが、彼女はその細く長い足に砂粒がつこうとも、一向に気にすることなく駆け回っている。その美しい姿は、幸福のしるし以外のなにものでもなかった。

しばらく自由に走り回ったあと、亜紗紀は助手席へ滑り込むように入ってきて、身をひねってこちらを向いた。僕は正面から向かい合うことができず、彼女を横目で見る。

亜紗紀:「ね、来月はアナタの誕生日だよね。何か欲しいものないの?」

僕:「そうだな。できることなら、そっとしておいて欲しいな」

亜紗紀:「あれあれ、さっきラッキーマンって言われたこと怒ってるの?」

僕:「別に怒ってないさ。僕が不労所得で暮らしてることは、やはり普通の人から比べたらやっぱりラッキーなことだし……」

亜紗紀:「げ、そんな意味じゃないよ〜」

僕:「え」

スバル フォレスター × 森脇亜紗紀

亜紗紀:「私と一緒にいられることがラッキーだってこと」

僕:「え」

亜紗紀:「お〜い、毎日、私といられてラッキーじゃないんですか〜」

何も答えずに、彼女の手を握った。それが僕の答えだった。考え過ぎていたようだ。たしかに彼女はミステリアスな人だが、決して卑しい人間じゃない。こんなにも素直で純真な亜紗紀のことが信じられず、真相を隠し通そうとする僕のほうがよっぽど卑しい。

亜紗紀手に触れていると、本当に何もかも、彼女以外のものはいらないとさえ思えてくる。残っている当選金は、すべてボランティアに寄付してしまおうか。家だっていらない。今の自分に必要なのは、本当に亜紗紀と愛車だけだ。出会った時のように、また、日本一周の旅にでも出よう。

寄せては返す波の色によく映えるホライゾンブルー・パールのフォレスターは、海沿いの、のどかに陽の当たる道をゆっくりと走り出す。

その時、助手席に座る亜紗紀の上品な口元がすこし緩んだことに、僕はまだ気づいていなかった───。

[Text:安藤 修也/Photo:小林 岳夫/Model:森脇 亜紗紀]

Bonus track

森脇 亜紗紀(Asaki Moriwaki)

スバル フォレスター × 森脇亜紗紀

1992年5月16日生まれ(27歳) 血液型:O型

出身地:愛知県

2019 ワイスピガール

2019 ニッポンスリッパ メージキャラクター

2016、2017 SuperGT「SUBARU BRZ GT GALS『BREEZE』」

2014、2015 SuperGT 「AUTOBACS RACING TEAM AGURI『ARTA GALS』」

東京オートサロン2014イメージガール A-class

☆☆│InstagramTwitterBlog│☆☆

スバル フォレスター × 森脇亜紗紀
スバル フォレスター × 森脇亜紗紀
スバル フォレスター × 森脇亜紗紀
スバル フォレスター × 森脇亜紗紀
スバル フォレスター × 森脇亜紗紀
スバル フォレスター × 森脇亜紗紀
スバル フォレスター × 森脇亜紗紀
スバル フォレスター × 森脇亜紗紀
スバル フォレスター × 森脇亜紗紀
スバル フォレスター × 森脇亜紗紀
スバル フォレスター × 森脇亜紗紀
スバル フォレスター × 森脇亜紗紀

© 株式会社MOTA