「いだてん」第一部が終了、中村勘九郎が「とにかく走っていた」と感無量

NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(日曜午後8:00)の第一部・金栗四三編が6月23日放送回で終了し、“日本で初めてオリンピックに参加した男”金栗四三を演じた中村勘九郎が「振り返ると、初回からここまで『とにかく走っていたな』という感じです。常に走り続けている人でした」と役柄への思いをコメントした。

ドラマは宮藤官九郎氏の脚本で、金栗と“日本にオリンピックを呼んだ男”田畑政治(阿部サダヲ)の2人を軸に半世紀にわたる日本人のオリンピックの歴史を描くもの。第一部のラストとなる23日放送の第24回「種まく人」では、関東大震災により壊滅状態となった東京で、金栗らが神宮外苑競技場で復興運動会を行い、スポーツで人々を元気づけようとする姿が描かれた。

第24回について勘九郎は「多くの挫折を乗り越えた金栗さんですら、関東大震災の現状に耐え切れず熊本に帰ってしまいましたが。そこで義母の池部幾江さん(大竹しのぶ)からの喝や家族の大きな愛で目覚め、本当の“いだてん”になりました。金栗さんには走ることしかないから、みんなに元気や笑顔を取り戻すために走って、走って、走った。そこにすごく共感しました」と思い入れ深い回になったことをアピール。

また、自身の震災体験とも重なる部分があったようで「東日本大震災が起きた時、『こんな時に芝居をしていて良いのかな』とすごく思いましたが、『これしか自分たちにはない』『ここで今来ているお客さまたちに楽しんでいただければ、笑顔の輪が広がっていくのでは』と信じて、芝居を続けました。それが金栗さんにとっては走ることだった。一緒だなと思いました」と金栗の心境が深く理解できたことも明かした。

6月30日放送の第25回から第二部がスタートし、阿部が演じる田畑政治に主人公の座を引き継ぐが、今後も劇中に金栗はたびたび登場するとあって、「第24回に嘉納治五郎さん(役所広司)が『ずーっと走っているな』とおっしゃっていましたが、ここが四三さんの面白いところで、第二部も時々顔を出しますが、やっぱり走っています。ドラマの中心は阿部さん演じる田畑政治に移りますが、金栗四三はこれからも走り続けていきます」と訴えている。

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