有名な山は登りつくした!次はどこに登る・・・?
登山を始めて数年「雑誌やガイド本で取り扱われているような有名な山はほとんど登ってしまった」なんて方はいませんか?
特に九州の場合、海に囲まれている関係上、他の地方に出向くことがなかなか難しいので、登りつくした感覚に陥りがち・・・
”いい山”は沢山あるんです!
ガイド本に出ていなかったり、出ていても小さかったりするような山は沢山あります。”いい山”というのは人それぞれが、筆者も長く山に登っていますが、自分の中の山ベスト10とガイド本の山ベスト10は明らかいに違ったんです。
「穴場の山」集めました
そこで今回は、筆者の独断と偏見で穴場の山を選んでみました。筆者の経験と実際に登山した皆さんの評価から、以下の3点を考慮し選出してみました。
・比較的登山者が少ない
・初級から中級までの山
・1つ以上の魅力、見どころがある
当然、賛否両論あると思いますが、「こんな山もあったんだ」と楽しんでいただけたら嬉しく思います。お気に入りの山に出会えた時は、宝物を見つけたような気分になりますよ!
【沖縄県】美ら海の絶景!於茂登岳(おもとだけ)
- 標高: 525m
- 所在地: 沖縄県石垣市
- 最高気温(8月): 28.2℃
- 最低気温(8月): 22.9℃
沖縄県の最高峰『於茂登岳』。エメラルドグリーンの海に囲まれた石垣島の山で、地元では「ウムトゥダギ」と呼ばれており、島の貴重な水源でもあります。沖縄に訪れるほとんどの人のお目当ては海のレジャー。石垣島の山というだけで穴場感満載です。石垣島観光のついでに於茂登岳登山はいかがでしょうか?
登山ルート情報
- 日程: 日帰り
- コース距離: 約6km
- コースタイム: 約1時間55分
- 体力度: ★★☆☆☆
- 技術的難易度: ★☆☆☆☆
於茂登岳登山口(60分)→於茂登岳(55分)→於茂登岳登山口
於茂登岳登山口からは山頂までは、熱帯らしいシダ類が多い森を登っていきます。登山道に危険箇所はありませんが、粘土質で雨上がりはぬかるみますので注意して歩きましょう。1年中、虫がいますので長袖、長ズボンをおすすめします。山頂からはサンゴ礁の海や、国の名勝に指定されている川平湾を見渡す絶景です。
【登山口アクセス情報】
場所:〒907-0002 沖縄県石垣市真栄里
登山口は、奥の小広場と呼ばれトイレはありませんが数台分の駐車場があります。
【福岡県】福岡県最高峰!釈迦岳(しゃかだけ)
- 標高: 1,229m
- 所在地: 福岡県八女市、大分県日田市
- 最高気温(8月): 24.9℃
- 最低気温(8月): 14.6℃
福岡県と大分県の県境に位置する福岡県最高峰『釈迦岳』。登山口の杣の里(そまのさと)渓流公園は、「秘境」が冠につくほど福岡都市圏からかなり離れている場所で、アクセスもよくないことから静かな山です。隣の「御前岳(ござんだけ)」と一緒に登ることが多く、周遊ルートをとることができます。
登山ルート情報
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御前岳登山口(85分)→御前岳(50分)→釈迦岳(70分)→御前岳登山口
登山口から御前岳、稜線をたどり釈迦岳へ登頂後、登山口へ降りる周遊ルート。御前岳登山口より御前岳へは特に問題なく登れますが、釈迦岳直前の急登は鎖場があり少々危険です。登山道は全体的に森林の中を歩きますが、御前岳、釈迦岳山頂からは遠くの山々まで見渡すことができ、周りに街が見えず秘境感を味わえます。釈迦岳山頂にはレーダードームがあるのがちょっと残念。
【登山口アクセス情報】
場所:〒834-1401 福岡県八女市矢部村北矢部6707-7
御前岳登山口は、杣の里渓流公園にあり、公園の広い駐車場とトイレを使用できます。マイカーの場合、九州自動車道八女インターチェンジより75分。
【佐賀県】トレランにも最適!蛤岳(はまぐりだけ)
- 標高: 862.8m
- 所在地: 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町
- 最高気温(8月): 26℃
- 最低気温(8月): 18℃
佐賀県北部の蛤岳は、脊振山地の一部。登山道の途中から、江戸時代に築造され今でも水道として現存する「蛤水道」が脇を流れており、大量の水が流れる音を聞きながら歩きます。また、山頂には真ん中が割れて蛤に見える「蛤岩」の迫力の姿。登山道は全体的に広く整備されており、アップダウンや気をつけるところもなく、のんびり歩く場合は最適。林道と並行している部分もあるのでトレランに使うランナーも多い山です。
登山ルート情報
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蛤岳登山口(70分)→蛤岳(60分)→蛤岳登山口
蛤岳登山口から、大した登りもない中、雑木林をのんびりと50分程度歩くと、蛤水道が始まり20分程度で山頂に。山頂の蛤岩にはハシゴがかかっており、ちょっと怖いですが、上に乗ると、脊振山地の山々や、佐賀平野、有明海が一望できます。下りは登りと逆方向に下ると蛤水道源流を見て、蛤水道沿いに戻ることができます。
【登山口アクセス情報】
場所: 〒842-0101 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町松隈国道385号線
九州自動車道「太宰府IC」より40分。登山口のある坂本峠は、すれ違うことも難しい国道(酷道)にあります。登山口周辺はかろうじて駐車できますが、4~5台程度が限度。ただ、登山者があまりいないので、おおむね駐車できます。
【長崎県】ここにしかない原生林!白嶽(しらだけ)
- 標高: 518m
- 所在地: 長崎県対馬市
- 最高気温(8月): 25.7℃
- 最低気温(8月): 20.3℃
参考:ヤマレコ
白嶽は、洲藻白嶽(すもしらだけ)とも呼ばれる、長崎県対馬列島の山。大陸と日本の植生が共存する貴重な洲藻白嶽原生林が有名です。大きな岩の山頂が特徴的で遠くからもその姿を確認することができます。
登山ルート情報
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登山口(90分)→白嶽(75分)→登山口
登山口からしばらくは原生林の中を歩き、山頂近くになると岩が多くなっていき奇岩や巨岩を見ることができます。山頂直下の岩場は注意が必要ですが、危険度はそれほどでもなく、登り上がると360度ビューの絶景が。浅茅湾や白嶽山系を眺めることができ、天候が良ければ遠くに朝鮮半島を望めますよ!
【登山口アクセス情報】
場所:〒817-0321 長崎県対馬市美津島町洲藻
対馬空港から車で約15分。登山口には5台ほど駐車できます。また、手前には白嶽登山者用トイレ・駐車場もあるので駐車場には困りません。
公共交通機関の場合、対馬交通「洲藻バス停」より約1km。
【大分県】由布岳を間近に!福万山(ふくまんやま)
- 標高: 1235m
- 所在地: 大分県玖珠郡玖珠町
- 最高気温(8月): 24.6℃
- 最低気温(8月): 15.3℃
参考:ヤマレコ
九州を代表する名峰「由布岳(ゆふだけ)」。いつも登山客でにぎわう山ですが、その由布岳のすぐ隣、福万山はいつも静かな山。眺めのいい稜線歩きと、眼前に由布岳を見る山頂の絶景が魅力です。北側には陸上自衛隊日出生台演習場が広がり、タイミングが合えば、稜線を歩きながら演習を見ることができます。下山後の湯布院温泉もおすすめです!
登山ルート情報
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登山口(100分)→福万山(90分)→登山口
はっきりとした登山口は無く、別荘地を抜けたユムタ草原の入り口が実質の登山口になります。草原を20分程度歩いたら本格的な登山道が始まり、森を抜け尾根にとりつくと、後は気持ちのいい稜線歩き。アップダウンが少ない尾根を歩くと山頂へ到着。山頂からは由布盆地や由布岳の眺めがよく昼食に最適ですが、山頂手前の尾根道も休憩ポイントがたくさんあります。
【登山口アクセス情報】
場所:〒879-5113 大分県由布市湯布院町川西1200
大分自動車道「湯布院IC」より5分。登山口から少し手前に「湯布院スポーツセンター」があり300円で駐車できます。
公共交通機関の場合、亀の井バス由布院駅前バスセンターより「青年の家」バス停下車、徒歩10分。
【熊本県】広ーい山頂が心地いい!小岱山(しょうだいさん)
- 標高: 501m
- 所在地: 熊本県荒尾市・玉名市
- 最高気温(8月): –
- 最低気温(8月): –
熊本県北部の荒尾市・玉名市にまたがる小岱山は、筒が岳(標高501m)を主峰とする、観音岳(473m)、丸山(392m)の総称。自然林が多い登山道と、ゴロ寝ができるくらい広い山頂が魅力です。最近は、評判がいいみたいで登山者が多くなりましたが、山頂は広いのでそれほど気になりません。
登山ルート情報
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中央登山口(60分)→筒ヶ岳(40分)→観音岳(30分)→中央登山口
中央登山口から出発する周遊ルートです。自然林の中60分程登ると主峰筒ヶ岳。ここから観音岳まで尾根道歩き。観音岳山頂は芝生の広々とした広場になっているのでこちらで昼食をとったほうがいいでしょう。山頂からは、眼下に荒尾市内から有明海、遠くに雲仙を望むことができます。
【登山口アクセス情報】
場所:〒864-0166 熊本県荒尾市府本
九州自動車道「菊水IC」より25分。中央登山口は10台程度の駐車スペースがあります。
【宮崎県】レアずくしな山!甑岳(こしきだけ)
- 標高: 1301m
- 所在地: 宮崎県えびの市
- 最高気温(8月): 24℃
- 最低気温(8月): 15℃
霧島連山のちょっと外れに位置する甑岳。この山はいろいろ珍しいものが多い山です。まず、台形型の山容、遠くからでもすぐにわかります。次に、温暖な九州では珍しい山腹の針葉樹林を中心とした植生、最後に山頂の地糖。地糖は九州ではあまり見ることができません。人気の韓国岳(からくにだけ 標高1,700 m)がすぐ横なので登山者が少ないところも魅力です。
地糖
高層湿原によく見る泥炭層により水が溜まった池。一般的に自然豊かで「尾瀬ヶ原」や「立山 弥陀ヶ原」などが有名。
登山ルート情報
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えびのエコミュージアムセンター(120分)→甑岳<火口周遊(25分)>(110分)→えびのエコミュージアムセンター
本来は、甑岳登山口から登れば片道60分程度ですが、現在は硫黄岳噴火により周辺が通行止めで近づくことができないため、1時間程度遠回りになります。ビジターセンターから白紫池、六観音御池と呼ばれる火口湖をめぐり、アップダウンを繰り返し甑岳へ登頂。山頂は広い湿原になっており、20分程度で周回できます。展望はありませんが、開放感がある山頂です。
【登山口アクセス情報】
場所:〒889-4302 宮崎県えびの市末永1495-5
マイカーの場合は、九州自動車道「えびのIC」よる40分。えびのエコミュージアムセンターに駐車可能(駐車料500円)。
公共交通機関の場合、霧島温泉郷から霧島連山周遊バスが出ています。
【鹿児島県】貴重な照葉樹の原生林!稲尾岳(いなおだけ)
- 標高: 930m
- 所在地: 鹿児島県肝属郡肝付町・錦江町・南大隅町
- 最高気温(8月): 25.5℃
- 最低気温(8月): 17.6℃
大隅半島南部に位置する稲尾岳は、照葉樹林の原生林が今に残る山。九州にある標高1000m以下の山は、自然林が切り倒され植林されていることが多いのでこれは貴重な存在。また、照葉樹の森の中はコケが岩を覆い、まるで映画のシーンのような神秘的な世界が広がっています。
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西口登山口(110分)→稲尾岳(100分)→西口登山口
西口登山口から出発。稲尾岳まではほとんどが照葉樹の森が続きます。途中、沢を渡渉する場面が多いので岩で滑らないように注意しましょう。山頂は小さな鳥居の稲尾神社があるだけで展望はありませんが、登山道途中の自然石展望台があり、天候が良ければはるかかなたに種子島が望めます。
【登山口アクセス情報】
住所:〒893-2401 鹿児島県肝属郡錦江町田代麓久木野5166-647
西口登山口は、稲尾岳ビジターセンターから7分ほど歩きます。南九州道「細山田(ほそやまだ)IC」より1時間30分、稲尾岳ビジターセンター下の駐車場に駐車。
意外な名山がすぐそこにあるかも!?
以上、九州県別穴場の山を、様々な情報をもとに、独断と偏見で選んでみました。もちろん、あなたのご意見は全然違うことでしょう。山の魅力は人それぞれ、結局のところ、自分で登ってみるしかわかりません。
これを機会に、なんとなく登らなかった山に登ってみてはいかがでしょうか?隠れた名山が見つかるかもしれませんよ。