ウィリエール トリエスティーナが軽量ディスクロード「ゼロSLR」を発表

「ゼロ」を受け継ぐディスクロード

2019年5月にウィリエール本社で行われたメディア向けのインターナショナルプレスミーティングにて、アンベールされたゼロSLR

フレームのデザインはウィリエールの歴史に基づくエレガントかつ、ミニマム&シンプルなものでありながら、同時に、長年にわたる自社のイノベーションラボで研究開発が行われてきた最高峰の技術を取り入れることとなった。

ハンドルステムは「インテグレーテッドゼロハンドルバー」を採用。チェント10エアーで培われたシンプルかつ人間工学に基づく高い握りやすさを実現し、330g(100×42サイズ)と軽量に仕上がっている
ワイヤーの内蔵化による整備性やポジション調整の課題をクリアにするため、一体型ハンドルからフレーム内部までを覆うスペーサーは簡単に分割でき、かつ十分な剛性を持つ
フォークは左右非対称の形状となり、ディスクブレーキ側はマッシブなデザインとなったが、これはTTバイクのターバインからのフィードバックを受けている
リア三角もドライブトレイン側とディスクブレーキ側でアシンメトリック。これにより制動力とパワー伝達性をまとめあげた
チェント10プロ、チェント10NDRで採用された形状に近いシートクランプ部。カーボンシートポストへの保持力もだが、空力的にも優れ、このゼロSLRのシルエットを特徴付けるものとなる
クランプをトップチューブとの接合点よりも下にすることは、走行中に振動を受けた際にシートポストをしならせる距離が増えることとなるため、結果快適性も向上する

独自のジオメトリー計測手法「ACCU-FIT」座標を採用

BBからハンドルとステムの接合位置までの距離をX、高さをYとするときのポイントを「ACCU-FIT」座標とする
一体型ハンドルとスペーサーと、6つのフレームサイズの組み合わせで、現実的にほとんどの体格をカバーすることができる

今回のゼロSLRにおいて、軽量さと空力的な優位性を得るために一体型ハンドルを採用するにあたって、ポジション調整の課題に対しても答えを用意した。

「SCCU-FIT(アキュフィット)」と呼ばれる、ハンドルとのコンタクトポイントに基づき、限られたフレームサイズと一体型ハンドル長、スペーサーのバリエーションによって、多くのライダーに対応させることができるというこの考え方は、ウィリエールがこれまでジオメトリー設計を行ってきたという経験と、人間工学的な科学的アプローチに基づくもの。

ひとつのフレーム(全部で6サイズ)において、ステム長(8〜12、5サイズ)とスペーサー(5mmと10mm)の組み合わせによって、ハンドルとのコンタクトポイントを35カ所設定できる。この位置の設定可能カ所を基準にしてにライダーのフレームサイズを選択することで、一つのフレームサイズでもよりそのライダーに求められるポジション設定ができるのだ。

本社内の「イノベーションラボ」に潜入!

本社内の「イノベーションラボ」では、エンジニアによって技術開発から細部デザインまで幅広く行われている。同時に協力機関やプロライダーとともに何十ものプロトタイプをテストする
イノベーションラボ内に置かれたゼロSLRのプロトタイプ。3Dプリンターで出力したパーツなどのテストもここで実際に行う。詳しい内容はサイスポ10月号にて

ジオメトリー

カラーバリエーション

レッド
マットブラック
ブルー

Spec.

ZERO SLR
価格未定
カラー:レッド、マットブラック、ブルー
サイズ:XS、S、M、L、XL(XXLはグローバルモデルのみ)
ヘッドチューブ:1”1/4–1”1/4
アッパー/ロウアーベアリング:FSA・MR137
フロントフォークO.L.D.:100mm
リヤステーO.L.D.:142mm、マヴィック・スピードリリース
BBシェル:シマノ・プレスフィット(86.5mmx41mm)
シートポスト:ウィリエール・シートポスト
フロントディレーラー:直付
フレーム重量:780g(サイズM、マットブラック塗装時)

ローンチイベントでは、各国のジャーナリストとともに、トタル・ディレクトエネルジーのニキ・テルプストラ選手とリリアン・カルメジャーヌ選手がライドを行った。詳しいインプレッションも本誌でお届けする

© 株式会社八重洲出版