ブランパンGTアジア:ポルシェ勢躍進の第3大会鈴鹿。木下&砂子組BMWが母国ウインで4勝目

 ブランパンGTワールドチャレンジ・アジアは6月22~23日、第3大会が鈴鹿サーキットで行われ、アブソリュート・レーシングのタナート・サティエンティアクール/フィリップ・ハンプレヒト組911号車ポルシェ911 GT3 Rが第5戦を制した。翌日に行われた第6戦は、クラフト・バンブー・レーシングのジェフリー・リー/アレッシオ・ピカリエロ組88号車メルセデスAMG GT3が優勝を飾っている。

 鈴鹿、富士と続くブランパンGTワールドチャレンジ・アジアの日本ラウンド2連戦。その第1ラウンドとなる鈴鹿での第5戦は土曜の13時40分に戦いの火蓋が切って落とされた。

 スタートではポールシッターのアウディスポーツ・アジアチーム・アブソリュート・レーシングの12号車アウディR8 LMSに、2番手から好ダッシュをみせたサティエンティアクール駆る911号車ポルシェが並びかけ2台が並走状態で1コーナーに侵入していく。しかし、ここはイン側を守ったアウディの勝ち。その後は12号車を繰るマーティン・ランプがセーフティリードを築いていく。

 スタートから20分後、トップを悪夢が襲った。後続に約5秒差をつけ快走を続けていた12号車アウディがパンクチャーによりスローダウン。緊急ピットインを余儀なくされ勝負権を失ってしまう。

 アウディに代わって首位に立った911号車ポルシェはレース折り返し間際に規定のピットインを済ませると、順位を維持してコースに復帰。レース後半は約10秒のギャップを活かした危なげない走りで約30分を走破し、スタートから60分後のチェッカーフラッグをトップで受けた。
 
 2位は5番手スタートからピットアウト後に2番手に浮上した912号車ポルシェ911 GT3 Rがつけ、アブソリュート・レーシングがワン・ツー・フィニッシュを達成。3位にはARN Racingの永井宏明/上村優太組8号車ポルシェ911 GT3 Rが入った。
 
 GT4 AmクラスはBMW Team Studieがポールからスタートして序盤戦をリードしていく。81号車BMWは木下隆之から砂子塾長にバトンをつないだレース後半もトップを走るが、チェッカーまで残り15分というところで2番手を走っていたクラフト・バンブー・レーシングの77号車メルセデスAMG GT4にヘアピンで追突されスピンを喫する。

 このアクシデントで左リヤタイヤを損傷した81号車はピットインを強いられ、その後レースに復帰するも6位でのチェッカーに。優勝はトップ2台の脱落によって漁夫の利を得たアブソリュート・レーシングのアンダーソン・タナト・ヘ/マーク・ウイリアムソン組89号車メルセデスAMG GT4に渡っている。

■日曜の第6戦でBMW Team Studieが雪辱果たす

第5戦鈴鹿を制したアブソリュート・レーシングの911号車ポルシェ911 GT3 R
アブソリュート・レーシングの912号車ポルシェ911 GT3 R
ARN Racingの8号車ポルシェ911 GT3 R

 日曜に行われた第6戦は定刻から5分遅れでレースがスタート。オープニングラップは21日の予選でポールを奪った88号車メルセデスが首位を守った。

 88号車を駆るアレッシオ・ピカリエロはその後、ハイペースで後続を引き離しにかかるが、2番手につけるマルコ・ホルツァー繰るパンサー/AASモータースポーツの918号車ポルシェ911 GT3 Rがこれをピッタリとマークし、88号車メルセデスの独走を許さない。トップを争う2台はそのまま、3番手以下を10秒以上引き離してのマッチレースを展開していく。

 スタートから36分後、全車がピットインを終えた段階で、デグナーで起きたアクシデント処理のためセーフティカー(SC)が導入される。これによって3番手以下に大きなギャップを築いていた88号車メルセデスと918号車ポルシェのアドバンテージは消滅することに。
 
 レースは残り16分でリスタートを迎えるが、直後に7番手を走っていた666号車ランボルギーニ・ウラカンGT3がコースアウトしたことで再びSCランとなった。
 
 チェッカーまで残り5分、2度目のリスタートが切られると、ピットアウト後3番手にポジションアップしたハブオート・コルサの27号車フェラーリ488 GT3が918号車ポルシェをオーバーテイクして2番手に浮上する。

 27号車を駆る坂本祐也はその勢いのまま首位を行く88号車メルセデスをも交わしにかかったが、シケインで痛恨のオーバーシュート。これによって918号車と911号車ポルシェに先行を許しポディウム圏外へと落ちてしまった。
 
 その後のファイナルラップでは上位が数珠つなぎのままフィニッシュラインになだれ込み、最終的に88号車メルセデスが2位にコンマ3秒差、2位となった918号車も911号車ポルシェと0.228秒差という僅差でチェッカーを受けた。坂本駆る27号車は4位に終わった。
 
 GT4クラスではBMW Team Studieの81号車BMW M4 GT4がポール・トゥ・ウインで今季4勝目をマーク。前日の第5戦では追突を受け、悔しい結果となったチームが見事雪辱を果たしている。

 ブランパンGTワールドチャレンジ・アジアの次なる戦いの舞台は富士スピードウェイだ。日本連戦の第2ラウンドとなるシリーズ第7、8戦は7月6~7日に行われる。

鈴鹿での第6戦で優勝したクラフト・バンブー・レーシングの88号車メルセデスAMG GT3
パンサー/AASモータースポーツの918号車ポルシェ911 GT3 R
第5戦、第6戦をともに4位で終えたハブオート・コルサの27号車フェラーリ488 GT3
BMW Team Studieの81号車BMW M4 GT4

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