長崎平和推進協継承部会の英語班 長崎大留学生らに被爆体験講話

被爆体験を英語で話す計屋さん(中央)=長崎市坂本1丁目、長崎大坂本キャンパス

 長崎平和推進協会継承部会の計屋道夫さん(82)と大庭義弘さん(79)が長崎大の大学院医歯薬学総合研究科の留学生ら約10人に英語で自らの被爆体験を講話した。

 2人は、英語で被爆の実相を伝えることを目的に昨年4月に発足した同部会の英語班に所属。現在会員は7人で、月に1回集まり、発音や英訳の練習などに取り組んでいる。

 2人は写真や図を使いながら、用意していた英語の原稿を計約1時間読み上げた。このうち計屋さんは8歳の時に3.8キロの長崎市十人町で被爆。当時、家族は全員無事だったものの、きょうだい6人全員が被爆した。うち4人はがんを発症し「放射能の影響ではないかと思う」と英語で語り掛けた。

 ケニアやフィリピンなどからの留学生たちからは「戦後の平和教育はどのように変わったか」と質問が出され、同部会は1970年ごろから被爆体験を話す人が増えてきたと答えた。大庭さんは「被爆者の高齢化が進み、現在の平和教育は被爆当時幼かった自分たちが受け継いで活動をしている」と話した。

 長崎大熱帯医学研究所の森田公一所長(63)は「被爆体験を英語で直接聞くことは学生にもインパクトがある。被爆者の話を聞いて伝えていくことの重要性を理解してほしい」と話した。

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