清水の音、鳥の声
多賀の秘境に涼を求めて
鈴鹿山脈最北部の西側、新緑の森に響く自然音。エチガ谷の山肌、数か所から勢いよく流れ出る湧き水が、苔生した岩間を縫い芹川へ注いでいます。この豊富な水量はすべて、谷の岩壁に開口している鍾乳洞“河内の風穴”の地下水流です。
県の天然記念物に指定される風穴の起源はおよそ55万年前、未だその全貌が明らかになっていない神秘の秘境。洞口付近からは冷気が漂い、内部の温度は年間を通じて12度ほど、夏は避暑スポットに。
風穴の入口にある「風緑」は、清らかな渓流を眺めながら、河内の湧き水を使ったかき氷や多賀名産の蕎麦を味わえる“癒しの空間”を提供しています。
「お多賀さん」古くから信仰
夏の夜彩る1万の提灯
多賀大社のご祭神「伊邪那岐大神・伊邪那美大神」の二神が成婚し、伊勢神宮のご祭神「天照大神」を生んだという神話から、“お伊勢お多賀の子でござる”との俗謡が伝えられ、熊野、伊勢と共に広く信仰を集めてきました。
真夏の夜、境内を幻想的にともす提灯の灯。祖先の霊を守護する同社の女神に感謝の意を表す多賀大社の伝統行事「万灯祭」は、湖国の風物詩。
参道には、多賀銘菓「糸切餅」を製造販売する店舗のほか、食事処や土産物屋、こだわりの材料を使った手作りドーナツやパンが自慢のwakkaya(わっかや)などが点在し、散策路として賑わっています。
今回の探訪スポット
■河内の風穴
滋賀県犬上郡多賀町河内
(アクセス)
名神彦根I.Cから20分、近江鉄道「多賀大社前」駅から8km
■多賀大社
滋賀県犬上郡多賀町多賀604番地
・多賀大社参道、多賀町観光案内所
(アクセス)
名神彦根I.Cから10分、近江鉄道「多賀大社前」駅下車徒歩10分