ソフトバンクはチーム打率がリーグワーストだったが…
2005年に始まった交流戦。15回目となった今季もパ・リーグの勝ち越しに終わり、これで10年連続14回目の勝ち越しとなり、優勝チームもソフトバンクだった。
投打のチーム成績から、今季の交流戦を振り返ってみよう。
○パ・リーグ
1 ソフトバンク(18試11勝5敗2分 率.688)
得点75 失点61 +14
2 オリックス(18試11勝6敗1分 率.647)
得点73 失点64 +9
3 西武(18試10勝8敗0分 率.556)
得点99 失点79 +20
3 楽天(18試10勝8敗0分 率.556)
得点73 失点71 +2
5 日本ハム(18試8勝9敗1分 率.471)
得点69 失点81 -12
6 ロッテ(18試8勝10敗0分 率.444)
得点87 失点93 -6
パ・リーグ 108試58勝46敗4分 率.557
得点476 失点449 +27
○セ・リーグ
1 巨人(18試11勝7敗0分 率.611)
得点85 失点66 +19
2 DeNA(18試10勝7敗1分 率.588)
得点72 失点70 +2
3 中日(18試8勝10敗0分 率.444)
得点78 失点79 -1
4 阪神(18試6勝10敗2分 率.375)
得点74 失点77 -3
5 ヤクルト(18試6勝12敗0分 率.333)
得点81 失点100 -19
6 広島(18試5勝12敗1分 率.294)
得点59 失点84 -25
セ・リーグ 108試46勝58敗4分 率.443
得点449 失点476 -27
パ・リーグは4球団、セ・リーグは2球団が勝ち越した。得失点差では、優勝したソフトバンクではなく、西武が1位、巨人が2位。西武は大勝する試合が多かったが、取りこぼしも大きく、2つの勝ち越しにとどまっている。
対照的にDeNAは得点差は+2に過ぎないが、3つの勝ち越し。接戦をモノにしてきた。広島は大きく負け越して交流戦最下位に沈み、得失点差でも大赤字になっている。完敗の試合が多かったということだ。
【打撃成績】
○パ・リーグ
1 西武 打率.270 18本塁打 14盗塁
2 ロッテ 打率.268 23本塁打 12盗塁
3 オリックス 打率.257 8本塁打 21盗塁
4 楽天 打率.250 13本塁打 5盗塁
5 日本ハム 打率.250 14本塁打 9盗塁
6 ソフトバンク 打率.233 32本塁打 16盗塁
○セ・リーグ
1 中日 打率.265 7本塁打 7盗塁
2 巨人 打率.257 23本塁打 15盗塁
3 阪神 打率.248 9本塁打 17盗塁
4 DeNA 打率.242 22本塁打 7盗塁
5 ヤクルト 打率.236 20本塁打 6盗塁
6 広島 打率.216 13本塁打 11盗塁
パ・リーグのチーム打率トップは西武だった。優勝したソフトバンクは打率はリーグ最下位だが、本塁打は12球団断トツの32本。ここ一番での効果的な本塁打がチームの勝利に繋がった。セ・リーグのチーム打率トップは中日だが、7本塁打は12球団最少。長打力不足もあって得点力に乏しかった。巨人は打率2位、本塁打1位。打率最下位は広島。.216とセパ両リーグ通じて断トツの低さだった。
広島はチーム防御率はリーグ3位も、得点力不足が響く
【投手成績】
○パ・リーグ
1 ソフトバンク 防3.16 9S 18H 18被本塁打
2 オリックス 防3.42 7S 19H 11被本塁打
3 楽天 防3.81 8S 24H 16被本塁打
4 西武 防4.14 2S 9H 12被本塁打
5 日本ハム 防4.19 5S 21H 14被本塁打
6 ロッテ 防4.84 4S 12H 23被本塁打
○セ・リーグ
1 阪神 防3.29 2S 20H 12被本塁打
2 巨人 防3.34 5S 16H 12被本塁打
3 広島 防3.85 2S 21H 21被本塁打
4 DeNA 防3.86 7S 24H 17被本塁打
5 中日 防4.38 3S 7H 23被本塁打
6 ヤクルト 防5.08 2S 10H 23被本塁打
ソフトバンクのチーム防御率3.16は12球団トップ。打率がパ・リーグ最下位だったことを考えると、投手陣を中心に守り勝つ野球ができていたということだろう。セーブ、ホールド数も多い。逆に西武は打線が優秀だったが、やはりチーム防御率リーグ4位の4.14と投手陣が弱かった。ロッテは、23本塁打したが被本塁打も23。ホームランラグーンが諸刃の刃になっている。
セ・リーグでは阪神が防御率1位。投手陣だけで見れば、6勝10敗と負け越すチームではなかったのだが…。広島は防御率は3位だが被本塁打は多かった。
昨季の日本シリーズで戦ったソフトバンクと広島が優勝と最下位と明暗を分ける結果となった。ソフトバンクは長打力で効率よく得点し、これを堅実な投手陣で守り抜き、これに対して広島は、投手陣はまずまずだったが、貧打に悩まされたということが言えるだろう。(広尾晃 / Koh Hiroo)