レクサス RC F 試乗|大幅に進化した“サーキットマシン”を富士スピードウェイで試す!

レクサス RC F グレード:カーボンエクステリアパッケージ/ボディカラー:ヒートブルーコントラストレイヤリング

改良されたRC Fの実力を富士スピードウェイで試す!

レクサスのスポーツアイコンであるRCシリーズ。そのサーキットをも視野に捕らえたモデル「RC F」が2019年5月にマイナーチェンジを果たし、これをお膝元サーキットである富士スピードウェイで試乗することができた。

また2018年末に先んじて改良されたRCは、公道での試乗を行った。

RC FのFは“FUJI”のF

レクサス RC F グレード:パフォーマンスパッケージ/ボディカラー:ソニックチタニウム

RC FのFは“FUJI”のF。つまり富士スピードウェイの名を冠した、サーキットを走れるスポーツカーであることがRC F最大の存在意義となっている。

ただし前期型RC Fにとっては、レクサス初のスポーツモデル「IS F」から走りの命となるV8ユニットを受け継ぎ、4ドアセダンから2ドアクーペへと進化することがまず何よりの命題であり、そのシャシー性能を煮詰めるまでには、正直至っていなかった感がある。

というのも筆者はこの前期型RC Fとは浅からず縁があり、1年以上の歳月をかけて初期モデルをベースにクラブスポーツ的な一台を仕立てた経験があるのだ。

そのとき感じたのは、ずばり「重さ」と、それによる「曲がらなさ」だった。

一方で、5リッターの排気量を持つ自然吸気「2GR」ユニットの出来映えは、本当に素晴らしかった。ライバルたちのダウンサイジングターボ化が進むなか、よくぞ自然吸気で踏ん張ってくれたと思った。

RC Fの使命は“走り”で魅了し続けること

レクサス RC F グレード:パフォーマンスパッケージ/ボディカラー:ソニックチタニウム&グレード:カーボンエクステリアパッケージ/ボディカラー:ネーブルスイエローコントラストレイヤリング

RC Fがサーキットにこだわらなければ、話はもっとシンプルだったはずだ。これをラグジュアリーカー的に乗りこなすだけならば「最高に気持ち良く、快適で、カッコの良いスポーツカーとしてその命をまっとうできるのに」と、何度も思った。そしてこの考え方は、「LC」に受け継がれたのだろう。

つまりこのV8エンジンを積み、サーキットを走るからこそのRC“F”なのだ。だったらこのエンジンを搭載して、曲げてやる! と奮起したが、ダンパー&スプリングをいじくり回すだけでは、根本的な解決にはなり得なかった。そうした実状は、レクサス自身が一番よく分かっていたことだろう。

だからこそ開発陣は毎年RC Fに地道な小改良を施し続け、遂に今回メーカーにしかなし得ない大がかりなマイナーチェンジを実行したと思うのである。

というわけでここからは、インプレッションを交えながらその進化を紹介して行こう。

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