「川崎は県内最低水準」 小児医療費助成、拡充求め請願

請願の提出前に、街頭で小児医療費助成拡大を訴えるメンバーら=川崎市役所前

 川崎市内の医師、歯科医師、母親らでつくる「川崎市こどもの医療費無料化を求める連絡会」は27日、市の小児医療費助成について拡充を求める請願を6177人分の署名を添えて市議会議長宛てに提出した。市は通院費の助成対象を小学6年生までとしているが、同会は中学3年生まで引き上げることなどを要望。「川崎は県内で最低の水準だ」と厳しく指摘している。

 市によると、通院費の助成は現在、小学3年生までは全額だが、小4~6年生は1回につき500円を超えた額のみ(保護者が市民税所得割非課税の場合は全額)としている。1歳~小学6年生で所得制限も設定している。

 入院費については、中学生までを対象に全額を助成している。所得制限はないが、中学生に関しては償還払いのため、保護者は窓口で一度全額を支払わなくてはならない。

 請願では、(1)通院費の助成対象を中学卒業までに引き上げる(2)一部負担金500円を撤廃(3)所得制限を入院だけでなく、通院についても撤廃する(4)入院費は窓口で立て替える必要のない制度にする-の4点を求めた。

 同会によると、県内では6月現在、大井町が高校3年生まで、平塚や小田原、鎌倉市など24自治体が中学3年生まで通院費無料となっている。相模原市と横浜市も中学3年生まで助成対象だが、相模原市は中学1年生から、横浜市は小学4年生から最大500円の自己負担がある(両市とも保護者などが市民税非課税の場合負担金なし)。

 通院費助成の対象が小学生6年生までなのは6自治体にとどまり、このうち4自治体は自己負担がない。小4~6年生に最大500円の窓口負担があるのは、川崎市と茅ケ崎市のみ。茅ケ崎市は一部負担を残すものの、10月から助成対象を中学3年生まで拡大する方針を示している。

 同会は「川崎市は県内で最低の水準。所得制限は今年1月から入院に限り撤廃されたが、入院に至るまでには通院を経ており、早期発見、早期治療を妨げる要因になる」として、助成の拡充を求めている。

 同会は1993年に発足。これまでに何度か請願署名を提出してきており、市の小児医療費拡充を後押ししてきた。今回の請願の提出に向け、今年1月から署名を集め始めたという。

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