中国がオランダと協力してGlobal Center on Adaptation北京事務所を設立し、気候変動適応の緊急性を受け入れ

中国がオランダと協力してGlobal Center on Adaptation北京事務所を設立、気候変動適応の緊急性を受け入れ

中国がオランダと協力してGlobal Center on Adaptation北京事務所を設立し、気候変動適応の緊急性を受け入れ

AsiaNet 79435(1186)

【北京2019年6月28日PR Newswire=共同通信JBN】中国とオランダは28日、中国とアジア地域を、その脆弱な生態環境が気候変動危機にさらされているという現実に対してより強靭なものにする行動を加速させるための、新たなイニシアチブを発表した。中国は、より頻繁かつより激しい極端な気象現象を経験している。かつては稀だった洪水、熱波、干ばつ、砂塵嵐が今では定期的に発生し、健康と社会に甚大な被害をもたらしている。

Logo:https://mma.prnewswire.com/media/930139/Global_Center_Adaptation_China_Logo.jpg

Photo:https://mma.prnewswire.com/media/930194/Opening_of_GCA_office_in_China.jpg

これらの課題を認識し、中華人民共和国の李克強首相は、オランダ王国のマルク・ルッテ首相の誘いを受け入れ、国内各地で実感されている気候変動の影響に対する行動を加速させるため、共に取り組むことにした。

Global Commission on Adaptationの召集国でもある両国政府は、これが軽減を通じて気候変動を阻止する一層の努力に代わるものではないが、欠くことのできない補完措置であると認識している。

Global Center on Adaptation(GCA)初の地域事務所を中国に設立するに当たり、両国はより大きな強靭性をサポートし、持続可能な開発目標を達成するため、適応行動の加速で緊密に協力していくことで合意した。同地域事務所は、アジア全域での大規模で斬新な適応イニシアチブを支援していくが、様々な地域をまたいで知識の共有や行動を促すため、世界各地にGCA事務所や代表部のグローバルネットワークを構築する計画が初めて実現したものである。

Global Center on Adaptationの北京事務所の開設式に際し、李克強首相は次のように語った。
「われわれはGlobal Center on Adaptationの中国事務所の開設を喜んでおり、同事務所が気候変動問題に取り組む国際社会の他の国々と共に、中国とGlobal Commission on Adaptationとの協力を強く後押しし、さらに世界最大の発展途上国である中国を支援してくれると信じている。中国政府を代表して、中国事務所の立ち上げに祝意を表するとともに、気候変動問題への中国の取り組みに対するルッテ首相と潘基文氏の支援に心から感謝の意を表したい。中国政府は、気候変動問題を非常に深刻に捉えている。気候変動は、国際的な協力が必要な世界規模の課題だ。われわれは、緩和と適応の両方の能力を向上させることが重要だ。中国はまた、他の途上国、特に小さな島しょ諸国に対して、南南協力の枠組みの下で気候変動への対処能力向上の支援を継続していく。中国人は約束したことを真剣に捉える国民であり、中国は国際社会に対して行った約束を守り続け、気候変動問題への世界的対応でわれわれが負うべき役割分担を果たしていく」

オランダ王国のマルク・ルッテ首相は、次のように語った。
「オランダの多くは海面下にある。われわれにとって、緩和と適応は共同歩調で進めていかねばならないというのは自明のことだ。しかし、気候変動の影響を受けて暮らす人々は世界中で日々増え続けており、そうした最も苦しんでいる人々を救う現実的な解決策を導入しなければならない。オランダは、気候情報に基づく選択がこうした投資の恩恵を確かなものにし、将来の極端な暴風雨、干ばつ、その他の気候の影響で何十億ドルもの損害を出すのを回避するのにいかに役立つかについて、中国や世界のその他の地域での経験を共有する準備を整えている」

第8代国連事務総長でGlobal Center on Adaptationのセンター長である潘基文氏は、次のように語った。
「世界はパリ協定の気候目標を達成する道をたどっていない。国際社会にはもう、気候変動を結果論のままにしておく余裕はない。それは既に、世界中の多くの人々にとって日々の現実なのだ。私は、他の国々や指導者たちが中国の例を見習い、この厳しい現実に向き合うよう呼び掛けている。われわれは、大きな変動を回避すべく戦いながらも、それが起きた時への準備を始めなければならない。世界のあらゆる場所で取らなければならない行動があるが、われわれはそうした強靭性のある未来を今、築き始めなければならない」

コラ・ファンニューウェンハイゼン社会基盤・水管理相はオランダから、次のように語った。
「適応は、より大きな成長と発展につながる。それは損失防止にとどまらず、イノベーションを促進し、機会を創出するだろう。適応は別個の課題ではなく、効果的な適応とは、予算編成、投資設計、プログラムの実施など、政治的、経済的意思決定者が行うことにあらゆるレベルで気候変動リスクを組み込んでいくことだ。オランダには、強靭性のある未来をいかに築いていくかについて長年の経験がある」

パトリック・バークーエヘンGlobal Center on Adaptation最高経営責任者(CEO)は、次のように語った。
「気候緊急事態の影響により、2030年までに世界中で1億人以上の人々が貧困に陥り、数億の人々が深刻な食糧不足に直面する可能性がある。中国がGlobal Center on Adaptation初の地域事務所のホスト国になってくれたことをうれしく思っている。彼らは、緩和だけでは十分ではないものの、適応のコストはこれまで通りの暮らしをするコストを下回ることを認識してくれた。適応の取り組みが始まった明るい場所は多くあるが、年を追うごとに厳しくなっている気候変動の影響を回避するには、さらなる緊急性、革新性、規模が必要だ」

▽編集者注
Global Center on Adaptationは、Global Commission on Adaptationを運営している。2018年に設立されたGlobal Center on Adaptationは、互いに学び合い、気候変動に強靭性のある未来のための協力を確かなものにするため、国際的なものから地域的なものまで、公的部門から民間部門まで、適応策の実行と支援を加速させるべく活動している。

Global Center on Adaptationは、地域社会、都市、国々に、気候変動の壊滅的影響に積極的に備え、最善かつ最もコスト効率の良い選択肢を駆使してリスクを低減し、より強靭になれるよう促しているGlobal Commission on Adaptationのマネージングパートナーである。同委員会は、第8代国連事務総長の潘基文氏、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同議長であるビル・ゲイツ氏、世界銀行のCEOであるクリスタリナ・ゲオルギエヴァ氏が主導。世界のすべての地域を代表する32人のコミッショナーと19の開催国によって導かれている。

▽問い合わせ先
info@gca.org

ソース:The Global Center on Adaptation