相模原市も罰則検討 ヘイトスピーチ規制条例で市長

ヘイトスピーチを規制する条例に罰則規定導入を検討する意向を表明した相模原市の本村賢太郎市長

 相模原市の本村賢太郎市長は28日の定例会見で、制定を目指しているヘイトスピーチを規制する市の条例に関して、罰則規定の導入を検討していることを明らかにした。ヘイトスピーチ対策に全国初の刑事罰を盛り込んだ川崎市の差別根絶条例の素案に触れ、「川崎に引けを取らない厳しい形を取りたいとの思いがある」と述べた。

 本村市長は、一部の陣営が差別発言を繰り返した4月の相模原市議選について「ヘイトスピーチ的な発言が市内各地で見られた。聞くに堪えないような発言も多かった」と指摘。「ヘイトスピーチは、人としての尊厳を傷付けるだけでなく、差別意識を助長し、人々に不安感や嫌悪感を与えることにつながりかねない。決して許してはいけない」と語った。

 川崎市が24日に公表した条例素案では、市の勧告、命令に従わずヘイトスピーチを繰り返した場合に「50万円以下の罰金」とする刑事罰を適用。過度の規制を防ぎ、人権擁護と表現の自由の保障を両立させる案となっている。本村市長は具体的な罰則内容については明言しなかったものの「やるからには川崎並みの形をつくっていかなければならない」とした。

 また条例策定や市議会への提案時期については、川崎市が時間をかけて検討してきたことを踏まえて「来年度以降の話だと思っている」と述べた。

 ヘイトスピーチを巡っては、国の対策法が2016年6月に施行されたが、禁止規定や罰則がなく、実効性のある対策が課題となっている。

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