横須賀・観音崎の観音像、9月披露 市民有志団体が復元へ

発起人会であいさつする、観音崎プロジェクトの会共同代表の藤木・横浜港運協会長(左から4人目)=横須賀市内のホテル

 県立観音崎公園内(横須賀市鴨居)で観音像の復元を目指している市民有志団体は28日の発起人会で、像の除幕式を9月23日に行う方針を示した。像は木製で高さは80センチ程度になる予定。観音像の歩みを紹介する案内板も設置するという。

 「観音崎プロジェクトの会」によると、公園を所有する県など関係団体の協力が得られ、設置に見通しが立った。像は現在、市内在住の仏師が制作している。

 発起人会ではそのほか、観音崎にまつわる伝説や歴史の研究、観光地としての発信などを行うことも決めた。

 共同代表の藤木幸夫・横浜港運協会長は「東京湾の港関係者にとって観音崎を船が何時に通過したという情報が大事。海で働くものが(復元に)率先しないといけない」と協力を呼び掛けた。

 観音像は観音崎(同)の地名の由来とされる。奈良時代の僧・行基が船の安全のため、十一面観音像を彫り、海蝕(かいしょく)洞穴に収めた。陸軍砲台の築造を機に、明治時代に近くの別の場所に移されたが、1986年に火災で焼失した。

 同会は、賛同する会員や観音像制作のための寄付金を募っている。

 問い合わせは同会事務局(トライアングル内)電話046(825)7144。

© 株式会社神奈川新聞社