藤沢駅、地下通路を全面改修 周辺再整備で市が方針

藤沢駅東西地下通路

 JR藤沢駅周辺地区の再整備を進めている藤沢市は28日までに、同駅北口の東西地下通路を全面的に改修する方針を決めた。湘南の海をイメージした景観デザインを取り入れ、「明るく安全で歩きやすい空間」を創出。広場部分は、にぎわいや憩いの場として多目的に活用する計画だ。本年度に詳細設計を実施し、2021年度中の完成を目指す。

 市がまとめたリニューアル計画案によると、地下通路の風景イメージは、湘南・藤沢の風土と深く関わる相模湾の海岸に繰り返し打ち寄せる波をイメージした幾何学的な図柄を展開する。

 通路部(延長80メートル、幅5メートル)の吹き抜け部は採光ができる屋根を設置し、全体に明るい照明を取り付け、薄暗い印象を刷新。また、歩きやすい舗装材を使用するほか、視覚障害者誘導用ブロックを配置する。

 広場部(床面積400平方メートル)については、天井板を高くして空間を拡大。子どもたちが安全に遊べる可動式人工芝やベンチを配置。壁面のデジタルサイネージ(電子看板)を活用した体験イベントや、地元名産品の物販など地域商業活性化のための空間として整備する。

 「地上との位置関係が分かりづらい」といった課題を解決するため、地上部出入り口への案内、エレベーターなどの昇降施設への誘導といった地上との位置関係が分かる案内誘導、位置情報サインを設ける。

 駅舎や周辺施設の老朽化などを踏まえ、市が同駅周辺の再整備を打ち出したのは13年10月。北口地区では現在、ペデストリアンデッキの改修工事が進められているが、駅と直結しないため回遊しづらいなどと指摘されてきた東西地下通路も改修することになった。

 駅の南口と北口をつなぐ南北地下通路については、今後、本格化する南口駅前広場の再整備事業などの進展に合わせ改修する予定。

 市は東西地下通路リニューアル計画案に関するパブリックコメント(市民意見公募)を7月2日から31日まで実施。市議会や市民らの意見を踏まえ、本年度中に詳細設計を行い、20年度に工事着工、21年度中の完成を目指す。

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