キャンプ座間横断道の拡幅工事、見直しへ 用地の取得難

拡幅工事計画が進められている相模原市道の新戸相武台道路。ただ掘割部は着工の見通しが立っていない

 相模原市は28日までに、在日米陸軍キャンプ座間(座間、相模原市)の南側を東西に横切る市道「新戸相武台道路」の拡幅工事について、計画を見直す方針を明らかにした。7年前から工事を進めてきたが、基地外の用地取得が一部で難航、暫定開通しても円滑な通行に課題が残ることなどから判断した。地域住民が早期開通を求めている生活道路の開通時期は、見通せない状況が続いている。

 1937(昭和12)年に開設された新戸相武台道路は、当時の陸軍士官学校で現在のキャンプ座間を横断できる唯一の道路。総延長は約1460メートルで、トンネル区間の約510メートルと、周囲の土地より低くして道路を通した掘割区間などで構成される。

 西側(同市南区新戸)の住民らが東側の小田急線相武台前駅周辺に行き来するためなどに使う生活道路だが、利便性が課題として浮上。乗用車の対面通行が辛うじて可能な幅しかなく、朝は車両が通行禁止、日中も一方通行路と利用が限られていた。

 そこで市は地元の要望も受け、幅員を10メートルに拡幅し車道を2車線とし、広い歩道も整備する計画を策定。2011年12月から、通行を歩行者と自転車に制限し工事を進めてきた。

 市によると、19年度末までにトンネル区間の非常電話設置などの工事は完了する見込み。掘割区間に関しても暫定開通した後に用地取得交渉とともに進める予定だったが、車両のスムーズな通行が図れないことなどから、暫定開通の時期を含めて計画の見直しを決めたという。

 本村賢太郎市長は27日の市議会本会議で、金子豊貴男氏(市民民主)の一般質問に「(暫定開通しても)再度、車両の通行止めの規制を行わなければならないなどの課題がある」と答弁。「将来の整備の在り方と暫定整備について検討したい」と述べた。

 市は今後、地元住民の意向を踏まえ、改めて計画をまとめるとしている。

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