高機能トースター輸入好調 2年連続で過去最多 横浜港

輸入されたトースターを検査する横浜税関職員=横浜港の保税倉庫

 健康志向の高まりを受け、横浜港では高機能をうたう高価格帯のトースターの輸入が好調だ。2018年の同港での輸入数量と金額は、ともに2年連続で過去最高となり、東京港、大阪港に次ぐ全国3位だった。横浜税関は、国内での大消費地に近く、輸入業者や家電量販店の物流拠点などがある横浜港が選ばれていると分析。販売価格が2万円超にもなる高額トースター市場は堅調で、ブームは今後も過熱するとみている。

 数千円台から販売されるトースターは単にパンを焼くだけだが、高価格帯のトースターはさまざまな加熱方式を備えている。ファンを搭載して庫内を均一に焼き上げたり、スチームを活用したりする製品もあり、表面はカリッと、内部はふっくらとした食感で焼き上げる。

 最近は、焼き芋や餅など食材に合わせて自動で調理したり、冷たくなったロールパンや揚げものを温め直したりできる高機能モデルが登場。脱油や減塩ができるとうたう製品もあり、健康ブームが後押ししている。

 同税関によると、18年の全国での輸入数量は407万台で、前年比10.3%減となったものの、輸入金額は前年比0.4%増の97億5300万円で過去最高を記録。5年前の13年と比較すると、輸入数量は3.0%増、輸入金額は41.1%増えた。高価格帯の売れ行きの好調ぶりが際立っている。

 このうち横浜港の輸入数量は48万台(同6.4%増)、輸入金額は25億100万円(同36.8%増)と数量・金額ともに2年連続で過去最高を更新。5年前の13年との比較では輸入数量が3.5倍、輸入金額が14.7倍と全国に比べ大きな伸びとなった。横浜港は16年以降に高価格帯のトースターの輸入が急増し、高機能トースターの輸入拠点となっている。

 18年の港別順位をみると、輸入数量は東京港、大阪港、横浜港の順。輸入金額は大阪港、東京港、横浜港だった。輸入国・地域は全国、横浜港ともに1位が中国。同国は日本メーカーを含め生産拠点となっており、全国、横浜港とも輸入の99%以上を占めた。

 同税関は、高級食パンがブームとなり家庭でもおいしい食パンを食べたいといった需要が生まれたこともあり、高価格帯トースターの輸入は今後も好調に推移すると見通している。

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