山下ふ頭再開発案発表 ディズニー客船誘致掲げる

横浜港ハーバーリゾート協会が示した山下ふ頭再開発私案(同協会提供)

 横浜港の港湾運送事業者でつくる横浜港ハーバーリゾート協会(YHR)は1日、山下ふ頭地区(横浜市中区、約47ヘクタール)の再開発私案を正式に発表した。ウォルト・ディズニー・カンパニーの客船運航会社「ディズニークルーズ」の誘致を目指すなど、カジノ以外の観光集客事業を地元主体で開発、運営する構想を推し進めていく。

 YHRはカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の横浜港への誘致に反対の姿勢を打ち出しており、同私案は3事業を柱とする。

 目玉として、山下ふ頭の一部を「ディズニークルーズ」の大型クルーズ客船の寄港地にする。YHRは「ディズニーはアジア域展開の拠点港として山下ふ頭が最有力の候補とみなしている」と分析。「カジノのにおいがあると全く来なくなる」として、山下ふ頭に関心を示す国内外のIR事業者をけん制した。

 MICE(国際会議などの総称)の中核となる国際展示場は「年間2兆円の経済効果が見込め、来訪者は年間2千万人を超える」と想定。自動車レース「F1」をはじめ世界トップレベルのイベントを開催する構想も披露した。

 私案は同日開かれた設立集会で発表され、藤木幸夫会長は「山下ふ頭は(観光で)金を稼ぎ、市の財政に貢献する」と述べた。YHRと横浜港運協会は6月27日、林文子市長宛てに「山下ふ頭再開発に関する見解と要望」を提出し、カジノなしの再開発を市と協力して進めることを求めた。

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