大坂選手の「天敵」カザフ選手、コーチに「ばかなの?」で話題に 初のセンターコートに感激

By 太田清

女子シングルス1回戦で大坂なおみ選手を破ったユリア・プティンツェワ選手=ウィンブルドン(共同)

 女子テニスで世界ランキング2位の大坂なおみ選手(21)が1日、ウィンブルドン選手権のシングルス初戦で世界39位、中央アジア・カザフスタンのユリア・プティンツェワ選手(24)に6―7、2―6で屈した。芝の聖地と呼ばれる舞台で初めての1回戦敗退となった。 

 プティンツェワ選手とは、6月のネイチャーバレー・クラシック2回戦で当たり、2―6、3―6でストレート負けを喫し約5か月間守り続けた世界ランキング1位から陥落。試合後はショックのあまり記者会見に現れず、罰金が科せられた。これまで0勝2敗と一度も勝利はなく、ウィンブルドンの負けで3連敗となった。 

 同選手権の公式サイトによると、プティンツェワ選手は試合後、「ここ(センターコート)で試合したのは初めて。形を見て少しびっくりした。円形をしているのね。いい試合ができた。よくやったと思う」と語り、ウィンブルドンで世界ランク2位を破った喜びを爆発させた。特に芝のコートを苦手としているだけに、うれしさもひとしおだったようだ。 

 大坂選手の「天敵」となった感のあるプティンツェワ選手だが現在、カザフスタン代表となっているものの元々はモスクワ出身のロシア人。ロシア・メディアによると、ロシアのジュニア大会で頭角を現し、ロシア代表としてプレーしていたが2012年、カザフスタンの市民権を取得して同国代表に。同国のテニス連盟からツアー参加のための金銭的支援の提案があったことから決断したという。これまでにWTAツアーでは19年のニュルンベルク・カップで優勝。最高ランキングは17年2月の27位。 

 喜怒哀楽の激しい性格で知られ、ロシアのニュースサイト「レンタ・ルー」によると、17年8月には米コネチカット州の試合で、コーチのキスリャンスキー氏に対し「間抜けなビデオばかり見ている。あなたばかなの? 私が得点してもあなたは一度も拍手しない。私がミスすると(観客たちは)拍手するのに。何のためにここに来たの? 間抜けなにやにや笑いをやめて!」とののしる様子がビデオに写り、動画投稿サイトに投稿されたことから話題を呼んだ。 

 ちなみにプティンツェワ選手の「プティン」の部分は、ロシアのプーチン大統領と同じつづり。その段で言うと「プチンツェワ」とするのがロシア語の発音により近い、正しい表記のような気もするが。 (共同通信=太田清)

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