豊洲新市場で初の仲卸業者の破綻 (有)滝治ほか1社が債務整理へ

 (有)滝治(TSR企業コード:298132028、法人番号:9010002022314、江東区豊洲6-5-1、設立1977(昭和52)年8月、資本金300万円、村上初正社長)と、関連の(株)滝治(TSR企業コード:018671110、法人番号:5010001177047、中央区築地6-26-1、設立2016(平成28)年7月、資本金500万円、同社長)は7月1日に事業を停止し、債務整理を金井重彦弁護士(金井法律事務所、中央区築地2-10-5、電話03-5148-5951)に一任した。
 今後の方針については「大口取引先などとも協議して決定する」(弁護士)としている。負債は現在調査中。

 豊洲市場の仲卸業者で構成される東京魚市場卸協同組合によると「豊洲に移転した水産仲卸業者の債務整理は初めてのケース」という。
 (有)滝治はかまぼこなどの練製品を中心に水産加工食品を取り扱う仲卸業者。40年以上の業歴を誇る老舗企業で、旧築地市場で仲卸業者として展開してきたが、2018年10月に豊洲市場へ移転した。しかし、取り扱う商品に独自性を出せず、売上が伸び悩んでいた。他社との差別化を図るべく低価格での販売も進めたが、利益は低水準で推移。ここにきて資金繰りも限界に達し、今回の措置となった。
 関連の(株)滝治は築地場外にオープンした商業施設「築地魚河岸」で水産加工食品の販売を手掛けていた。観光客や一般客向けにも販売していたが、売上は伸び悩み、出店資金の費用負担も嵩むなか投資回収が進まず、(有)滝治に連鎖した。

© 株式会社東京商工リサーチ