ホークス8回に執念の再逆転劇 工藤監督「みんなが打席で集中してくれた」

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

グラシアルは6打点の大活躍

■ソフトバンク 8-6 楽天(2日・ヤフオクドーム)

 ソフトバンクは2日、楽天の首位攻防3連戦の初戦は、終盤に大きなドラマが待っていた。4点のリードから7回、8回で逆転を許した直後、グラシアルの2点打で再逆転。最後は甲斐野と栗原のフレッシュバッテリーが試合を締めた。

 6回までに4点のリードを奪っていたが、7回に先発の高橋礼が3ラン、8回にはモイネロが2ランを浴びて逆転を許したソフトバンク。しかし、その裏に先頭の高谷がヒットで塁に出ると、1死後に牧原、福田、グラシアルの3連打で2点を奪って再逆転。さらにデスパイネの犠飛でリードを2点に広げた。

 8回の攻撃で高谷に代走を出したことで、9回は栗原がマスクを被って甲斐野をリード。しっかりと3者凡退に打ち取って喜びのハイタッチを交わした。

 工藤公康監督は、グラシアルについて「初回の3ランは先制がほしいところでよくコンパクトに打ってくれました」と称賛すると、続く犠飛や再逆転打にも「配球であったりを頭に入れて打席に立っていますし、彼自身の気持ちの持っていき方もいい。今日の試合の重要性を考えて打席に立ってくれていると思います」とコメント。

 8回に一度は逆転を許しながらも執念を見せた再逆転劇。指揮官は「日本ハムさんとの時に逆転勝ちしてから、追い越されてもみんなが集中して打席に入ってくれたと思います。嫌な流れだったところを高谷くんが塁に出て、1アウトにはなりましたが牧原くんがファームでやってきたことを打席で出してくれました。福田くんも含めて、みんな負けられない試合だと集中してくれました」と、繋いだ脇役たちの活躍も称えた。

 また、8回には2人目の捕手・高谷が三塁に進んだところで代走を出した。「サードに行ったらと考えていました。(その後)タイムリーヒットにはなりましたが、犠牲フライもある場面でしたからね。9回の栗原? もちろん戦力としてベンチに入っている限りは使いますよ」と工藤監督。

 これで交流戦直前の楽天戦3連敗の悪夢を振り払った。他球場からヤフオクドームに戻ってきた初戦は7敗1分だったが、そのジンクスも打ち砕いた。これで交流戦優勝を決めた巨人戦から5連勝だ。工藤監督は「5連勝しているというより、目の前の試合を1つずつ戦っていくだけです」と、第2戦に向けて兜の緒を締めた。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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