【愛川・受刑予定者逃走】男再逮捕へ かくまうよう知人唆す

横浜地検を出る男=23日午後5時15分ごろ、横浜市中区

 保釈中に窃盗や覚せい剤取締法違反などの罪で実刑判決が確定し、横浜地検が収容しようとした無職の男(43)=愛川町田代=が逃走した事件で、県警が近く、犯人蔵匿教唆の疑いで同容疑者を再逮捕する方針を固めたことが2日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、同容疑者は逃走中、知人で自称建築業の男(38)=犯人蔵匿容疑で逮捕=に、自身をかくまうよう唆した疑いがあるという。県警と地検は引き続き、逃走に至った経緯や動機、両容疑者の関係性などについて捜査を進める。

 無職の男は6月19日午後1時すぎ、収容に訪れた地検職員5人に包丁のような刃物を振り回すなどして他人名義の車で逃走。車で相模原市の国道16号や東名高速道路下り線を走行後、知人の手助けを借りるなどして厚木市や大和市、鎌倉市などを転々としたとみられる。

 横浜地検が公務執行妨害容疑で逮捕状を取り、県警も全国に指名手配して行方を捜査。逃走開始から5日目の同23日朝、横須賀市森崎4丁目の自称建築業の男のアパートに潜伏していたところを県警の捜査員が発見し、身柄を確保した。

 捜査関係者によると、無職の男はこれまでの調べに対し、逃走時に包丁を持っていたことは認める一方で「振り回してはいない」「包丁は川に捨てた」などと供述。逃走の理由については、連絡なしに地検職員らが自宅を訪れたことに不満を示す趣旨の話をしているという。自称建築業の男は「知人から頼まれて(無職の男を)助けてあげたかった」などと話している。

 両容疑者の尿からは覚醒剤の陽性反応が出ており、無職の男の自宅と、潜伏先の横須賀市のアパートの部屋からは覚醒剤を使用する際に用いたとみられる注射器などが見つかっている。

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