「思い切り暴れてこい」 ハム宇佐見、原監督の檄に応える移籍後初タイムリー&猛打賞

日本ハム・宇佐美真吾(右)【写真:石川加奈子】

3安打2打点の大暴れに栗山監督も「これから安心して野球ができると思う」

■日本ハム 9-1 西武(2日・札幌ドーム)

 日本ハムの宇佐見真吾捕手が2日、本拠地での西武戦に「7番・DH」で出場。巨人から移籍後初安打初打点を含む3安打2打点と大暴れした。トレード発表からわずか6日。新天地初のお立ち台では「自分が来てから連敗していたので、勝てて良かったです」と笑顔を見せた。

 出場3試合5打席目で待望の快音を響かせた。1点を先制した直後の2回無死二、三塁の絶好機だった。「内野が後ろに下がっていたので、転がせば1点入るくらいの気持ちで打席に入りました」。そう振り返る言葉とは裏腹に、西武の先発・高橋光の143キロ直球を鋭く振り抜いた打球は右翼を守る愛斗の頭上を軽々と越えた。移籍後初安打&初打点となる適時二塁打に「素直にうれしかったです」と声を弾ませた。3回には左前打、4回には右前適時打を放ち猛打賞をマークした。

 DHでの起用を意気に感じていた。「何とか期待に応えなきゃと思っていました。打つことに集中できました」とホッと息をついた宇佐見。トレードが決まった時、巨人の原辰徳監督からは「思い切り暴れてこい」と激励されたという。「今日、結果が出て良かったです」と古巣と新天地の両監督への恩返しとなる活躍に胸を張った。

 トレードによって野球人生が大きく動き出した。6月28日に入団会見を終えると即1軍出場選手登録された。ユニホームも間に合わない中、当日いきなり途中出場し、翌日には捕手として先発出場した。「1回ファームでやって、慣れる形かな思っていました」と本人の予想を上回るスピード感で起用される中、見事に対応してみせた。

 栗山英樹監督は「元々打つ能力が高い選手。打つことに集中してしっかり結果を残してくれた。自分の一番得意な部分で結果を残してチームの勝利に貢献して、これから安心して野球ができると思う」と目を細めた。

“転校生”の活躍が打線に火をつけ、チームは18安打9得点を奪って快勝し、連敗を6で止めた。「この9連戦は大事。一つでも勝てるよう力になりたいです」と力強く語る宇佐見の顔は充実感にあふれていた。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

© 株式会社Creative2