高級車ディーラー、“金持ちっぽくないお客さんには対応が適当説”は本当? 自動車マニアに聞いてみた

アストンマーティン神戸グランドオープン20190526 グランドオープニングレセプション

※文中の画像は全てイメージです

金持ちっぽくないと高級車ディーラーで雑な扱いをされる?

世界最大のアストンマーティン・ディーラー「アストンマーティン東京」[東京都港区北青山1-2-3]

みんなー! ディーラーに行っているかーい!?

ということで、新車を購入するときに多くの人が足を運ぶであろうディーラー。

もちろん新車購入だけでなく、日常のメンテナンスや車検などディーラーに足を運ぶ機会も多いだろう(ディーラーじゃなくて修理工場にお願いしている、という人もいると思うが)。

しかし、その一方で、高級車のディーラーというのはどうも敷居が高いイメージがあり、興味のある車種があってもなかなか足を運びにくいという声も聞かれる。中には「Tシャツ短パンで行ったら無視された」とか、「軽自動車で行ったらぞんざいな扱いを受けた」という真偽のほどは定かでない書き込みをSNSで見ることもあり、足の運びにくさに拍車をかけている結果となっている。

しかし、これはどこまで事実なのだろうか? 今回は実体験と実際に現場で働く営業マンにヒアリングをし、実際のところはどうなのかを確認してみた。

高級品を身に付けているかどうかは気になる?

アストンマーティン・ジャパン:タグ・ホイヤー・カレラ・キャリバー・ホイヤー01 アストンマーティン・スペシャル・エディションを発表

筆者:実際に身なりでお客さんを判断するのか?

営業Aさん:いや、それはないですね。普段はビシっとしたブランドスーツで仕事をバリバリしているような人でも、普段着はファストファッションブランドのものを着ている人も多いですし、ベンチャー系の人であればそもそもスーツを着る文化がない人もいますから。それよりも時計とか靴とか、“よく見ると高級品”を身に着けているかどうかに目が行きますね。もちろん、その有無で接客が変わるということはありませんけど。

ということで、高級車ディーラーの営業マンは身なりでお客を判断するということはない、という結果が分かった。ただ、昔気質のベテランの中にはそういった考えを持っている人は少数ながらいるとのこと。ただ、その年代の人はほとんど現場でバリバリ営業をするという立場からは身を引いているので、レアケースだそうだ。

見てくれだけで接客を変えられたらお店を変えるべし!

筆者:お客さんが乗ってきたクルマではどうでしょう?

営業Aさん:乗ってきた車両の車検ステッカーを見て“そろそろ車検だから代替かな?”と思うようなことはありますが、車種によって対応が変わることもありません。仕事用の車両だったり、なにかの代車だったりという可能性もあるので、気になった時はさりげなくヒアリングしますね。また、納車間もないような車両で来る人もいますが、そういう方は代替ではなく増車の可能性もあるので、冷やかしだと判断することはないです。

ユーザーが乗ってきたクルマによって期待度は若干変わるものの、それで判断して接客が変わるということもなさそうだ。むしろその程度で接客が変わるような店舗や営業マンであれば、他のディーラーに行った方がいいかもしれない、というのがAさんの意見だった。

お客さんの質を“判断”するポイントとは

世界最大のアストンマーティン・ディーラー「アストンマーティン東京」[東京都港区北青山1-2-3]

それではどんな部分でお客を判断するのかというと、それはやはり実際に会話のやり取りをして判断するのだそうだ。

試乗中の車内での会話や商談テーブルでのやり取りをすることで、自然にその人が真剣に検討しているのか、候補の1台として迷っているのか、今は買う気がないのかを読み取るとのこと。もちろん今は買う気がない人だったとしても、なにかのタイミングで実際に購入を検討してくれる可能性もゼロではないので、絶対に無碍な対応はしない、というのが営業Aさんのポリシーだそうだ。

ということで、敷居が高いように思える高級車ディーラーでも、本当に興味のあるモデルがあるのであれば気兼ねなく足を運んでください、というのが営業マンの本音のようだ。

もし見た目で判断するような店舗であれば、万が一購入したとしても今後も残念な対応をされる可能性が高いと言えるのかもしれない。

[筆者:小鮒 康一]

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